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2025/9/1
【アマモ再生】東洋製罐グループホールディングス、全国でのブルーカーボン生態系回復と生物多様性保全に向けて アマモ再生プロジェクト始動
東洋製罐グループホールディングスは、海藻などが大気中のCO₂を吸収し海底に長期貯留する「ブルーカーボン」の回復および生物多様性の保全に向けて、2025年8月末よりアマモ場の再生を目指すプロジェクトを実施している。
同取り組みでは、同社の連結子会社である東洋ガラスが不動テトラと共同開発した藻類増殖材「イオンカルチャー」を用いて、仙台うみの杜水族館におけるアマモの成長観察調査・展示と、イノカと共同でのアマモ成長促進効果の科学的検証を、TAKANAWA GATEWAY CITYのビジネス創造施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars' Hub(LiSH)」※1の水圏ラボにて行っている。
同社は今後、同取り組みで得られた知見を活用し、宮城県の地域漁協や自治体との連携を通じた沿岸部でのイオンカルチャーの実装とアマモ場の再生を目指す。そして、全国のアマモ場への応用にもつなげることで、脱炭素社会と自然共生社会の実現を推進していく。

※1 :多様で先端的な知や技術を持つ人(Scholars)をつなげ、かけあわせる(Link)ことで、新たなビジネス・文化を創造することを目指すJR東日本が運営する施設です。JR東日本は、本施設を通じて、共創会員との実証実験の実施・新規プロジェクトの創出に取り組んでいる
取り組みの背景
アマモは、「ブルーカーボン」生態系の創出に寄与する存在として注目されているだけでなく、「海のゆりかご」とも呼ばれ、稚魚や小動物のすみかになるほか、海中の窒素やリンなどの栄養塩類を吸収して水質を浄化する役割も担っている。
しかし、2011年の東日本大震災の影響により、多くの沿岸地域のアマモ場が流失した。そして、震災から10年以上が経過した現在も、水質の変化や環境条件の悪化により、アマモ場の自然回復は進んでいない。アマモ場の減少は震災の影響にとどまらず、現在では全国的な課題となっている。
そこで、アマモの生育に必要な栄養成分の溶出量・溶出速度をコントロールできるイオンカルチャーを活用することで、震災による被害を受けた地域のみならず、磯焼け※2 の影響を受けている地域を含めて、全国のアマモ場の再生を目指す。
※2:磯焼け
沿岸海域に生息する海藻の多くが死滅し、それに伴ってアワビなどの水棲生物が減少し、漁業に大きな打撃を与える現象
取り組みの詳細
仙台うみの杜水族館でのアマモの成長観察調査・展示
同社は、2024年より仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)とスポンサーシップ契約を締結し、「ごみを“資源”に変える」循環型社会を目指したリサイクル推進活動などの取り組み※3を進めてきた。
今回は、同水族館内にてイオンカルチャーを使ったアマモの成長観察のほか、本取り組みに関する展示を行うことで、来場者に自然と科学のつながりを伝える。
実施内容:
・イオンカルチャーを使用したアマモ展示水槽での、アマモの成長観察調査
・取り組み概要およびイオンカルチャーの説明パネル展示
・子ども向け絵本物語「うみのこアマンとひみつのごちそう」パネル展示
(展示期間:2025年9月1日〜9月末予定)

(2024年4月3日付プレスリリース)
https://www.tskg-hd.com/news/detail/2024_04_03-news-release.html
【TAKANAWA GATEWAY CITYの水圏ラボでのアマモ成長促進効果の科学的検証】
水族館での観察調査に加え、科学的な視点でイオンカルチャーのアマモ成長促進効果について検証を進める。今回、海をはじめとした水域の自然環境を陸地に再現する環境移送ベンチャーのイノカと連携し、科学的検証に取り組む。
同社とイノカは、2025年5月に開業した高輪ゲートウェイ駅直結のビジネス創造施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars' Hub(LiSH)」の会員になっており、同検証は同施設内にある水圏ラボにて実施される。
実験項目
・イオンカルチャーあり/なしでのアマモの生育比較(成長速度、光合成効率など)
・水温・光量など一定条件下での成長変化の記録
(実験期間:2025年8月末~10月末予定)

イオンカルチャーについて
イオンカルチャーは、東洋ガラスと不動テトラが共同開発した藻類増殖材で、海洋植物の成長を促進する二価鉄やケイ酸、リン酸イオンといった成分がゆっくりと水に溶け出すよう成分調整を行ったガラス製品。磯焼け※4の原因とされている二価鉄イオンの不足を補うガラスの開発に着手し、1993年にイオンカルチャーを製品化した。
製品詳細:https://www.tskg-hd.com/businesstopics/detail/bt_ion_culture.html
※4 :沿岸海域に生息する海藻の多くが死滅し、それに伴ってアワビなどの水棲生物が減少し、漁業に大きな打撃を与える現象

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