アーカイブ情報

2024/5/24

【アルミニウム系ポリエステル重合触媒】東洋紡の「TOYOBO GS Catalyst」、リサイクル性に関するAPR認証取得

 東洋紡が製造・販売する、重金属を含まず環境配慮型のアルミニウム系ポリエステル重合触媒「TOYOBO GS Catalyst®」が、このほどプラスチックリサイクルの国際的な業界団体であるThe Association of Plastic Recylers(APR)より、リサイクル性能に関する認証(“APR Design® for Recyclability”/“Critical Guidance Recognition”)を取得した。
 東洋紡は2002年、一般的なPET樹脂の製造時に用いられる触媒がアンチモンなどの重金属化合物が主流であるのに対し、世界で初めてアルミニウム系の重合触媒「TOYOBO GS Catalyst®」を開発。重金属を含まない「TOYOBO GS Catalyst®」を使用して製造したPET樹脂は、環境への負荷軽減に貢献することに加えて、優れた熱安定性を有することから溶融成形を繰り返しても樹脂の劣化が起こりにくいため、リサイクルに適している。

重合触媒に「TOYOBO GS Catalyst®」を使用して製造したPET樹脂(手前)と、アンチモン触媒、チタン触媒をそれぞれ使用して製造したPET樹脂(奥右、奥左)
写真左から「TOYOBO GS Catalyst®」、アンチモン触媒、チタン触媒をそれぞれ使用して製造したPET樹脂を加熱・溶融(300℃、2時間)した際の黄変等の様子

 今回、「TOYOBO GS Catalyst®」を使用して製造したPET樹脂に対し第三者機関が実施した評価をもとに、APRにより審査が行われた結果、APRが定めるリサイクルに関する厳格な要求性能(“Critical Guidance Recognition”)に合致またはこれを上回ることが認められたとして、リサイクル性に関するAPR認証の取得に至った。
 「TOYOBO GS Catalyst®」を使用して製造したPET樹脂は、これまで飲料用ペットボトルや包装用PETフィルム製品、太陽電池用バックシートなどに採用されてきた。世界的に環境意識が高まる中、PET樹脂のリサイクルは、ボトルのみならず、今後、繊維やフィルム、成形品など様々な用途での拡大が見込まれている。このたびの認証取得を受け、同社は今後も、北米や欧州を中心に「TOYOBO GS Catalyst®」のグローバルな普及拡大に注力し、循環型社会の実現に貢献できるよう努めていく。
■The Association of Plastic Recyclersについて
 プラスチックのリサイクル産業を代表する国際的な業界団体。高品質な再生プラスチックを保証する独自の認証プログラムやリサイクル性を評価するための試験方法の提供、教育活動などを通じて循環型経済のサポートを実施。
■「TOYOBO GS Catalyst®」について
 東洋紡が2002年に開発した、アンチモンなどの重金属を含まない世界初のアルミニウム系ポリエステル重合触媒。「TOYOBO GS Catalyst®」を使用して製造したPET 樹脂は、透明度が高く、熱安定性に優れているため溶融成形時の劣化が起こりにくいなど、環境対応性に優れた特長を有している。2017年には、PET樹脂製造最大手のインドラマベンチャーズと「TOYOBO GS Catalyst®」を使用した重合技術や特許に関するライセンス契約を締結するなどグローバルな展開に注力している。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP