アーカイブ情報
2026/2/10
【イオンクロマトグラフ】島津製作所、「Nexera IC」発売

島津製作所は、2026年2月10日、イオンクロマトグラフ「Nexera IC(ネクセラ アイシー)」を国内外で発売した。イオン性物質の定量に使うイオンクロマトグラフは、水道水や環境水などの水質検査において、規制に基づいた分析で強みを持つ。「Nexera IC」は小型でありながら、高い操作性やメンテナンス性を通して、水道局や受託分析企業、製薬、食品、飲料、メッキなどの業界でのルーティン業務を支援する。
水の安全性を確保するために水道水や環境水には様々な規制が設けられており、無機イオンを対象にしたイオン性物質の分析(イオン分析)では、水溶液中の陽イオンと陰イオンを分離・検出するイオンクロマトグラフ(IC)が使われている。水質分析は法律などで定められた分析手法(公定法)に沿って日常的に実施されている。そのため高度な専門知識がなくても性能を最大限に引き出せる、扱いやすさが求められている。
「Nexera IC」は、すべてのユーザーが迷わず操作できるように、高濃度試料の自動希釈機能を搭載して、分析のやり直しをなくし、ダウンタイムを低減する。簡単・迅速に異常値を判定できる専用ソフトウェア「IC Solution」(オプション)、日常業務のサポート「IC Support Software」により、負担なくルーティン分析を実行できる。分析に関する基本操作やメンテナンスの手順を解説して、トラブルシューティングなどを対話形式の機能で支援する。小型かつ高いメンテナンス性を備えた設計により、簡単に部品を交換できる。また、前処理装置とつなげることで、総フッ素含有量が分かるので、PFASの有無を知ることができる。
「Nexera IC」の特長は次の通り。
1. コンパクトな装置とメンテナンス性向上
イオン分析に必要な機能を本体とソフトウェアにコンパクトに集約。装置高を従来の「HIC-ESP」に比べ、58%の50 cm以下に抑え、溶離液の残量確認やボトルを設置しやすくした。メンテナンス性が高く、送液ユニットやサプレッサ、オートサンプラー(オプション)の消耗品・保守部品も簡単に交換できる。PC専用ソフトウェア「IC Solution」(オプション)は、直感的な操作により、スムーズなオペレーションが可能。
2. 異常値を見逃さない、規制対応分析を支援するインターフェース
「IC Solution」「IC Support Software」が水質分析のルーティン作業を支援する。
「IC Solution」は各種規制に対応した基本的な分析メソッド・レポート条件などをあらかじめ搭載しており、異常値の判定を含む複数試料のクロマトグラム(クロマトグラフの波形で示される測定結果)と定量結果を一画面上で確認でき、分析結果のレポートを簡便に出力できる。
「IC Support Software」は、溶離液調製やカラムの取り付けなどの操作、消耗品の使用回数のモニター機能、対話形式のトラブルシューティング、メンテナンス動画などを提供する。習熟度の低い分析者向けのトレーニングにも使える。
3. 自動化による業務効率の向上
「IC Solution」では、サンプルを再調製する手間を省くため、分析開始後にサンプルの濃度が検量線範囲を超えていた場合は、装置が自動でサンプルを超純水で希釈して再測定する。溶離液の自動調製機能(オプション)では、2倍、5倍、10倍の3種類から希釈倍率を選べる。不慣れな分析者でも操作ができるように、溶離液流量を制御するFlowPilot機能を搭載し、送液ユニットがカラムオーブン温度と連携して、カラムへの急激な圧力負荷を抑制しながらカラム平衡化を自動で実行する。この機能は、嶋津製作所が目指す「システムやソフトウェアが、熟練技術者のように操作し、状態・結果の良し悪しを自動で判断して、ユーザーへのフィードバックやトラブルを解決する“Analytical Intelligence”」を実現するもの。
希望販売価格はオートサンプラー付きシステム730万円(税込み)から。発売後国内外1年間で350台の販売を目指す。
- カテゴリー
- コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

