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2024/10/9

【エチレン】出光興産と三井化学、「千葉地区装置集約による生産最適化」検討のFEED移行

 出光興産および三井化学は、「千葉地区エチレン装置集約による生産最適化」について検討を進めてきたが、このたび、両社は、FS(Feasibility Study:事業化調査)※1完了にともない、次のフェーズであるFEED(Front-End Engineering & Design:基本設計)※2に移行する。
 出光興産・三井化学の両社は、2010年にLLP制度の活用による千葉ケミカル製造有限責任事業組合を設立し、生産最適化を目的に千葉地区に両社が保有するエチレン装置の運営統合を行い、徹底的にシナジーを追求してきた。
 しかしながら、中国を中心とした大型石油化学装置の新増設と国内のエチレン需要減衰により、日本のエチレン装置は低稼働の継続を余儀なくされ、国内石油化学の事業環境は今後さらに厳しさを増していくものと予想される。このような環境変化の中、両社は、2024年3月27日付で公表した通り、それぞれが京葉地区に保有するエチレン装置を三井装置1基に集約するためのFSを行ってきた。
 FSではエチレン装置集約による原料調達や対象製品の生産・供給体制への影響などの確認を行い、集約化の実現性を有するとの結論に至ったことを受け、FEEDに移行することを合意した。
FEEDにおける千葉地区のエチレン装置集約の前提
(1)集約時期の目途:2027年度
(2)集約の方法:出光興産装置を停止し、三井化学装置に集約
(3)エチレン装置原料:両社がLLPへ供給
(4)対象製品:エチレン、プロピレン、C4※3を含む全留分
(5)集約後の事業形態:現行のLLPを継続し、LLPにて三井化学装置を共同運営
(6)意思決定の時期:2025年度下期
 今後、両社でFEEDを行い、集約の判断を協議・決定する予定。両社は、今後一層のエチレン装置生産効率化・競争力強化のため、検討を加速していく。
※1 FS(Feasibility Study)
 プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること。
※2 FEED(Front-End Engineering & Design)
 FSの後に行う基本設計。プロジェクトにおける課題、リスク、費用などをより詳細に精査し、プラントの基本仕様を決定すること。
※3 C4
 ナフサ熱分解によって副生する炭素数4つの炭化水素で、ブタン、ブチレン、ブタジエンなどの混合物

千葉ケミカル製造有限責任事業組合の概要



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