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2024/11/25

【カルニュー精密屈折計】島津製作所、「KPR-3010」シリーズ(国内向け)発売。改正JIS B 7071-2に準拠

 島津製作所は、2024年10月21日付けで改正されたJIS規格、「JIS B 7071-2 光学及びフォトニクス-光学ガラスの屈折率測定方法-第2部:Vブロック法」に準拠した新製品「KPR-3010」シリーズの国内販売を開始した。同製品は、長年培った光学設計・製造技術を結集し、2013年の発売開始以来、光学材料の屈折率測定分野における標準機としての地位を確固たるものにした、カルニュー精密屈折計KPR-3000の後継機種。

 新製品の特長は次の通り。
(1)Vブロック方式(JIS B 7071-2:2024準拠)による、高速・高精度の測定を実現
 測定精度は±2×10-5を実現。1波長当たり約14秒で測定できる。また、測定者による測定誤差を抑制し、高精度で安定した測定結果を提供する。
(2)波長依存性・温度依存性の情報を取得可能
 標準5波長から最大16波長まで、用途ごとに求められる光源を搭載した8モデルを用意。オプションの温調用Vブロックプリズムを用いれば、10~70℃の範囲で温度依存性の情報も取得できる。
(3)微小サンプルや揮発性の高い液体など幅広い試料に対応
 固体(ガラス、樹脂など)と液体を測定できる。また、屈折率の測定範囲は1.20~2.05(オプションで2.28まで)と1台で幅広い試料の測定が可能。固体の場合、試料の仕上げに高精度な研磨面が不要であるため,最小偏角法に比べて試料準備の手間を大幅に減らすことができる。液体の場合は、オプションの液体用Vブロックプリズムを用いて測定ができる。
(4)広々とした試料室、使いやすさを追求したシンプル設計
 試料室を本体正面に配置することで、試料の取り付け・取り外しが容易。また、試料室は幅165mmの開口部を設けており、試料の出し入れも容易。
(5)使いやすさに注力した制御ソフトウェア、スリット像の表示で試料の状態を正確に把握
 オートコリメーション像がソフトウェア上に表示され、Vブロック交換時の調整が容易になった。また、測定中のスリット像が光強度グラフとともに表示されるため、屈折率に表されないような試料の小さな違いや異常の発見に役立つ。
 さらに、「D線(589.3 nm)の屈折率の自動算出」機能を追加。標準波長のD線、C線、F線の3波長の測定結果から、D線の屈折率を分散式より算出し、結果を表示。測定波長と分散式を最適な組み合わせとすることで、ナトリウムランプの輝線であるD1(589.6 nm)、D2(589.0nm)の波長での屈折率からD線の屈折率を算出する方法と同等の結果を得られる。

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