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2024/9/17

【カーボンニュートラル】BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部、2050年までに達成するための戦略的ロードマップ提示

 BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するための戦略的ロードマップを示し、サーキュラーエコノミーへの道のりにおける重要なマイルストーンを明らかにした。これにより、革新的でカスタマイズされたプラスチックに関するBASFの材料ノウハウを結集した同事業本部は、プラスチックにおいて切望されているサステナビリティ変革の最前線に位置することになる。
 BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるマーティン・ユング氏は次のように述べている。
 「私たちは、カーボンフットプリントが低く、多様な循環型ソリューショ ンを提供することで、お客様の変革を実現したいと考えています。また、より資源効率に優れたプラスチックを製造する方法から、プラスチックの利用を改善する方法、プラスチックに新たな命を吹き込む方法に至るまで、プラスチックのライフサイクル全体を通じて、より持続可能なプラスチックづくりに取り組んでいます。私たちはこの変革をBASFのプラスチック・ジャーニー(#ourplasticsjourney)と呼んでいます。今回のロードマップによって、私たちはこの変革をより迅速に進めるための重要な基盤を築いていきます」

BASF パフォーマンスマテリアルズ事業本部 プレジデント マーティン・ユング氏

カーボンニュートラルと気候保護に向けた取り組みを加速
 BASFは、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に、2030年までにCO2排出量を2018年比で25%削減(スコープ1と2[1])、スコープ3.1[2]については2022年比で15%削減するという明確な目標を掲げている。同社のカーボンマネジメント戦略の重要な第一歩は、グリーン電力の使用を増やすことにある。
 「2023年にはすでに、パフォーマンスマテリアルズ事業本部の世界各地の拠点の3分の1以上がグリーン電力で稼働しており、2025年までに全拠点を完全にグリーン電力に切り替えるべく、絶え間ない努力を続けています」と、BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるマーティン・ユング氏は述べている。
 グリーン電力は、とりわけスコープ3.1において、BASFのバリューチェーンの初期段階でも重要な役割を果たしている。BASFのサプライヤーの1社である3B Fibreglass社は、熱可塑性ポリマーや熱硬化性ポリマーの補強材として使用されるガラス繊維を供給している。3B Fibreglass社は、ソーラーパネルを利用して発電することで、CO2排出量を大幅に削減している。その結果、ガラス繊維の製品カーボンフットプリントが削減され、BASFの製品、そして最終的にはBASFの顧客へ還元される。これは、すべてのステークホルダーがサステナビリティに取り組むことで、サーキュラーエコノミーが実現する可能性を示している。

認証済みの持続可能なソリューションで顧客をサポート
 BASFは、国際持続可能性カーボン認証(ISCC)PLUSとREDCert²で、世界各地の製造拠点の認証を積極的に行っている。パフォーマンスマテリアルズ事業本部の大半の拠点は、少なくとも1つの制度で認証を受けており、2024年末までに全地域でさらに多くの拠点の認証が行われる予定。
 これらの制度は、バイオマスバランス(BMB)製品に割り当てられる再生可能原料の量を認証するもの。こうした再生可能原料は、バリューチェーンの初期段階において、生産に必要な化石原料の一部を代替する。このプロセスにより、従来と同一の製品品質と特性が保証されます。そのため、顧客はこれらの原料をドロップインソリューションとして使用することができる。廃タイヤや混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油のようなケミカルリサイクル原料も同様。
 BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部、サステナビリティ責任者のマティアス・シャイビッツ氏は次のように述べている。
 「現在、当社の製品ポートフォリオの大半は、再生可能原料をベースとし、製品カーボンフットプリントを大幅に削減、あるいは正味ゼロにした製品としてすでに提供されています。私たちは、お客様がサステナビリティ目標を達成し、多様なサーキュラリティ・オプションを提供できるよう、できるだけ早い段階からサポートしたいと考えています」

より循環性の高い製品ポートフォリオに向けた意欲的な目標
 BASFは、製品ポートフォリオにおける循環型原料の使用を増やすため、最も有望なマスバランスソリューションを探求し、あらゆる産業の顧客の期待に応えている。同社のサステナビリティ・ジャーニーにおいて、BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、2030年までにサーキュラー・エコノミーの売上高を少なくとも20%に増やすことを公約している(循環型原料によって少なくとも20%の化石原料の代替をサポートする製品を通じて)。
幅広い商用持続可能なソリューションと共創
 BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、その多様なバリューチェーンにおける顧客やパートナーとの共創を、プラスチック業界におけるサステナビリティへの取り組みの要と考えている。
 「私たちにとって、シリーズ化が可能な商用化された持続可能なソリューションをお客様に提供し、現在可能なことについてお客様にインスピレーションを与えることは重要なことです」と、BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるマーティン・ユング氏は述べている。
 サーキュラリティは、製品の設計段階に深く組み込む必要があります。その一例として、BASF パフォーマンスマテリアルズ事業本部は先ごろ、簡素化されたスケーラブルなマテリアルリサイクルを実現する革新的なポリウレタン(PU)フォーム技術を開発した。この新技術を使用した最初のステアリングホイールのプロトタイプが、先日欧州と中国[3]で公開された。
 シーメンスのSIRIUS 3RV2サーキットブレーカー[4]は、バリューチェーンの最初の段階で化石原料を農業廃棄物などの再生可能資源に由来するバイオメタンで置き換えたバイオマスバランス・プラスチックの部品を採用した、初の電気安全製品。同様にBASFは、ケミカルリサイクルプロセスに由来するプラスチックを使用したSteelcaseのFlex Perch Stool[5]にも共同で取り組み、焼却や埋め立ての防止に貢献している。また、バイオベースの原料とリサイクル原料を補完的に使用するケースもある。メルセデス・ベンツと共同開発した、メルセデス・ベンツSクラスのドアハンドルとクラッシュアブソーバー[6]では、バージン材料の特性を持つプラスチックの製造において、化石原料の代わりに廃タイヤから生成される熱分解油と有機廃棄物由来のバイオメタンを組み合わせて使用している。
 また、BASFは包装業界向けに、再生可能原料の使用を増やす方法も提供している。BASFの認証済みの堆肥化可能なバイオポリマーのポートフォリオに、バイオマスバランス・グレード [7]が加わった。有機的にリサイクル可能であることに続いて、製品カーボンフットプリント(PCF)はそれぞれの標準グレードよりも60%低くなっている。

BASF、バイオマスバランスecoflexR (PBAT)の投入により、包装業界へ新しい価値を提供

 さらに、製品カーボンフットプリント(PCF)を大幅に抑えたエンジニアリングプラスチックとポリウレタンの包括的なポートフォリオも用意している。イソシアネートなどの低PCF製品[8]の中には、カーボンフットプリントがゼロに近いものもあり、プラスチックによるサステナビリティの未来がすぐそばにあることを改めて証明している。
詳細については、 https://plastics-rubber.basf.com/global/en/performance_polymers/sustainability.html (英語)参照。
[1] スコープ1は、直接的なCO2排出量を示している。これは、BASFの拠点にある排出源から排出されるもので、例えば、自社の生産工場や、電力や蒸気を生成するための工場が含まれる。スコープ2は、同社が製造のために購入するエネルギーを生成する際に、同社のサプライヤーから排出される間接的なCO2排出量に関するもの。
[2] スコープ3.1の排出量は、同社がサプライヤーから購入する商品やサービスに関連するもの。
[3] https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/asia-pacific/2024/04/chinaplas-2024-basf-china-and-autoliv-china-cooperate-on--jp
[4] https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2024/08/------BASF----------------
[5] https://www.basf.com/us/en/media/news-releases/2022/03/basf-s-ultramid-b3eg6-ccycled-material-featured-in-the-new-steel
[6] https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2022/10/p-22-370
[7] https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2024/06/p-24-212
[8] https://plastics-rubber.basf.com/global/en/performance_polymers/sustainability/product_carbon_footprint/Initial_Low_Product_Carbon_Footprint_Portfolio

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