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2026/3/17
【ガスクロマトグラフ】島津製作所、GC開発70周年の集大成となる世界最高クラスの感度を持つ検出器を搭載した「Nexis GC-2060」発売

島津製作所は2026年3月17日にガスクロマトグラフ「Nexis(ネクシス)GC-2060」を発売した。同製品は、世界最高クラスの感度を持つ検出器を備えた同社ガスクロマトグラフ(GC)の最上位機種。高性能でありながら分析者の経験に左右されにくく、分析支援機能やメンテナンス時間の短縮などにより分析効率を向上している。
GCは1952年に発明され、今では化学や製薬、エネルギー、食品、環境、半導体分野などで研究開発や品質管理に用いられる分析装置。
近年、カーボンニュートラルの実現に向けた新エネルギー開発、グリーン・トランスフォーメーション(GX)の進展により、ガス分析の需要が高まっている。分析現場では、分析者の経験に左右されにくく、装置の性能を最大限に引き出せる使いやすさが求められている。
「Nexis GC-2060」は、分析作業の自動化から「必要な時に必要な分だけ分析する」オンデマンド運用まで、運用形態に応じた支援機能により、ルーティン分析にも突発的な分析にも対応する。高速昇温・冷却に対応した試料気化室とカラムオーブン、起動後速やかに安定する検出器、操作性にこだわったメンテナンス機構により、待ち時間や手戻りを削減する。
島津製作所は1956年に日本で初めてGCを開発して以来、今年で70周年を迎える。国内トップシェアを誇るメーカーとして、今後も高性能で扱いやすい製品を通して、様々な分野の研究開発や品質管理に貢献していく。
Nexis GC-2060の特長は次の通り。
(1)世界最高クラスの感度を持つ検出器で微量成分を高速分析
70 年にわたる開発で培ったノウハウをもとに、微量成分の高速分析に対応。有機化合物などの分析に用いられるFID検出器※1の検出能力が従来比約20%向上(最小検出量1.0pgC/sec)、無機ガスなどの分析に適したTCD検出器※2でも従来比25%向上(最小検出量300pg/mL)した。両検出器は高い安定性を備えており、省エネや安全の観点から装置の稼働と停止を繰り返す運用下でも、短時間で分析を開始できる。
(2)シンプル操作で業務効率を改善
従来は異なる分析を実施する際に複数の試料気化室が必要なケースがあった。新たに開発したMMI試料気化室※3は、5 種類の注入モードを備えている。例えば、食品や環境分野の農薬分析においては大量注入モード、エネルギー分野のバイオ燃料の評価においてはスプリット試料導入モードなど、1台のGCで様々なアプリケーションに対応できる。独自の低熱容量設計により、メンテナンス時の温度低下の待ち時間を従来の40分から5分へ短縮した。GC 本体のメンテナンスボタンを押すだけで、温度やガス流量などを制御できるため、手順ミスを減らせる。装置の稼働パターンを学習し、業務量に応じた運転スケジュールを提案する「ECO アイドリング機能」も搭載。利便性を損なわず、ガスや電力などの運用コストを低減する。
(3)進化し続ける拡張性
装置サイズは従来機と同等のまま、前処理装置・試料気化室・検出器の搭載数を拡張した。同じ構成でデュアルライン分析を実施する二重化運用や、1台で複数用途をカバーする構成、高速分析などに応じた柔軟なシステム構築が可能。また、FID検出器は従来の使用方法に加え「純水から生成した水素・酸素」のみで駆動するガスボンベ不要の運用モードを備えている。ボンベ関連の設備投資や管理負荷を抑えられるため、GC導入のハードルを下げ、運用コストを低減した。
※1 Flame Ionization Detector(水素炎イオン化検出器)
※2 Thermal Conductivity Detector(熱伝導度型検出器)
※3 Multi Mode Injection port(多機能試料気化室)
希望販売価格は380万円~(税込み)で、販売目標台数は販売後1年間で3000台。
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