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2024/11/20

【グリーン水素】BASFのポリアリールエーテルスルホン、各種水電解装置に使用される大型で耐久性の高い部品を実現

 BASFは、高効率と耐久性を備えた大型の水電解装置の開発に関して、エネルギー業界に独自の提案を行っている。効率的な水電解は、グリーン水素の利用に重要な役割を果たす。提案内容としては、水電解装置の部品に適したポリアリールエーテルスルホン製品群(PSU、PESU、PPSU)とそれを実用化するノウハウや部品設計に関するテクニカルサポートである。BASFは、射出成形やメンブレンの製膜に関する深い理解に基づいて水電解装置の改善を最適化し、クリーンエネルギーへの移行および推進することに貢献している。BASFは、フレーム、ガスケット、セパレータ膜など、水電解装置部品に適した材料であるUltrason®を提供している。
 Ultrason®は、アルカリイオン水(AWE)、プロトン交換膜(PEM)、アニオン電解質膜(AEM)電解装置のさまざまな部品の金属代替に適している。Ultrason®は、温度と化学物質に対する卓越した耐性を備えている。過酷な条件下においても優れた性能を発揮し、構造部品や高純度のセパレータ膜にも対応する。また、機械特性が広範囲の温度域で安定であるため、現行(90℃)および次世代(120℃以上)の水電解装置に使用できる。
 BASFのポリアリールエーテルスルホンは、優れた圧縮特性や耐加水分解特性などにより、水電解装置の高寿命化を実現する。小型の部品だけでなく、大型の射出成形や押出成形の部品にも使用できる。金属より設計自由度が高く、軽量化も可能にし、多様なシステム構築のニーズに対応する。

Ultrasonがグリーン水素生産を促進
 高い耐久性と安定性を備えた大型の水電解装置によって、グリーン水素生産の効率が向上する。BASFのグローバルビジネスディベロップメントUltrason®担当者のエリック・ガベルス氏は次のように述べている。
 「BASFは、高温での使用や長寿命を重視した水電解装置部品を開発するお客様に対し、最適なUltrason®グレードの選定をサポートするとともに、部品や金型の設計から最終的な量産に至るまで、豊富な経験に基づいてアドバイスします。当社はグローバル企業ですが、高品質な射出成形部品や高性能なセパレータ膜の開発に関しては地域に根ざした対応をしています。射出成型やメンブレンフィルターの開発において30年以上の実績を持つBASFは、水電解装置の理想的なプロジェクトパートナーとして、お客様の時間とコストの節約を支援し、市場のリーダーを目指すお手伝いをします」
 特にUltrason®の膜に関して環状二量体の含有率が低く、品質が安定していることから、安定したポリマー溶液になることが広く知られている。25年以上前から、水の濾過や人工透析向けの膜として業界標準とされているのもこのため。BASFは、この分野の用途と加工について豊富なノウハウを持っており、水素生産技術の向上に最適なパートナーである。
 Ultrason®は、ポリエーテルスルホン(Ultrason®E)、ポリスルホン(Ultrason®S)、PPSU(Ultrason®P)を含む、BASFのスルホン系樹脂製品群の登録商標。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業で使用される軽量部品のほか、ろ過用メンブレンや、熱湯や食品と接する部品にも使用されている。Ultrason®ブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができる。

Ultrason®樹脂を用いたグリーン水素の生産部材
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