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2024/2/7

【ケミカルリサイクル】レゾナック/九州大学/丸紅/三井住友信託銀行、資源循環型社会九州モデル構築のための共同事業体形成

 レゾナックと九州大学 グリーンテクノロジー研究教育センターおよび丸紅、三井住友信託銀行は、資源循環型社会九州モデル構築のための共同事業体として「知の拠点」を2024年1月9日に形成した。同拠点は九州地域において産業界や自治体から排出されるさまざまな廃棄物や未利用資源を活用する九州地区初の地産地消型プロセスを確立するため、課題を抽出・整理し、解決するための「協議の場」とすることを目的としている。
 同拠点では、九州地区における一般・産業廃棄物からのプラスチックの収集・分別・再資源化方法および油化・資源利用技術に関する事業について、今後10年以内に実用化するための方策を検討する。
 2022年4月、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が施行され、地域レベルでのさらなるプラスチックの再資源化の取り組みが急務となっている一方で、日本では毎年800万トン程度のプラスチック製品が廃棄されている。また、地球温暖化防止のため温室効果ガスの排出量削減は世界的な課題であり、2050年までにカーボンネットゼロを目指す脱炭素社会の構築が必達の目標となっている。
 しかし、現状のリサイクルプロセスでは、廃プラスチックの約60%がサーマルリサイクルされている。この方法では、廃プラスチックを燃焼させて熱エネルギーとして回収するが、廃プラスチック中の炭素分はCO2となって大気中に排出されてしまう。従って、脱炭素社会の構築には、廃プラスチックをプラスチック製品に再生する技術として、マテリアルリサイクルに加えてケミカルリサイクルを社会実装することが必要不可欠。そこで同拠点では、ケミカルリサイクル中心の設計を実装し脱炭素社会を目指す。
 レゾナックは川崎事業所(神奈川県川崎市)において廃プラスチックのケミカルリサイクルプラント(KPR)を20年以上稼働し、廃プラスチック由来の水素・アンモニアを生産している。しかし九州地域は首都圏と比較し人口密度が低く廃プラスチック等の資源が分散していることから、まずは小型分散型、地産地消のプロセスの導入を検討する。同社は各地域から排出される廃プラスチックを石油代替資源として活用、同社大分コンビナート(大分県大分市)において基礎化学製品に転換することで、将来的にはプラスチックに戻すことを目標としている。
 レゾナックは多くの企業や自治体、既存の廃棄物リサイクルプロセスとも連携することで、九州地区から排出された廃プラスチックを九州圏内で基礎化学品に変換する、九州地区初の試みとなる地産地消型プロセスを確立する。そして「ゼロカーボン」「環境保全」と「経済循環」を両立させる資源循環型社会九州モデルの構築に貢献していく。

「知の拠点」イメージ 廃プラスチックを基礎化学製品に転換することで、石油代替資源として活用し、プラスチックに戻すことが可能
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