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2024/1/15
【サーキュラーエコノミー】和歌山県とENEOS/花王/サントリーホールディングス、包括連携協定締結
和歌山県とENEOS、花王、サントリーホールディングスは、「和歌山県におけるサーキュラーエコノミーの実現に関する包括連携協定」を締結した。
背景
和歌山県では、地域の特性を踏まえた産業創出や広域的な資源循環ネットワークの構築を目指すため、「わかやま資源自律経済ビジョン」を2023年10月に策定。ENEOS、花王およびサントリーホールディングスは、このビジョンの策定に参画するとともに、各企業がこれまでに和歌山県内の市町との資源循環に関する連携実績を有している。
今後、当該ビジョンの実現に向けた取組を推進していくにあたり、4者が包括的に連携し、それぞれの資源およびネットワークの有効活用を図ることが有益との観点から、本協定の締結に至った。
目的
・和歌山県が地域資源循環モデルの先進地域となること
・和歌山らしさを取り入れたサーキュラーエコノミー型産業の振興
・資源循環を通じて自信と愛着を持って暮らせるまち和歌山を創出すること
協定の締結者(企業名は五十音順)
和歌山県、ENEOS、花王、サントリーホールディングス
連携事項
(1)県内の未利用資源・事業活動から生じる連産品の資源化に関すること
例:
・一般家庭にて調理に使用され、また賞味期限切れなどで使用されずに廃棄される食用油(以下「使用済み食用油」という。)からのSAF(持続可能な航空燃料)製造および製造時の連産品であるバイオナフサを利用した製品製造
・PETボトルの水平リサイクル
・使用済みPET等を利活用したアスファルト改質剤等の製造
(2)県内の産学官連携のネットワーク構築に関すること
例:
・再生資源となる使用済み食用油やPETボトルを含む使用済みプラスチックを回収し、資源化・利活用するための仕組みの確立に向けた産学官連携ネットワークの構築
・排ガスCO2などを活用するカーボンリサイクル技術に関する産学官連携ネットワークの構築
・「和歌山産の再生製品」としてのブランディングを推進するための産学官連携ネットワークの構築
(3)県内の未利用資源を有効活用するための県民への啓発・周知活動に関すること
(4)その他、「わかやま資源自律経済ビジョン(2023年10月)」を実現するために必要な取組に関すること
協定の締結日
2024年1月10日
<本協定の締結に際してのコメント>
■和歌山県
和歌山県は、2023年6月に「わかやま資源自律経済ビジョン検討会」を設置し、そこでの議論を踏まえて、同年10月に「わかやま資源自律経済ビジョン」をとりまとめ、公表しました。
ビジョン実現に向けた第一弾の取組として、家庭用の使用済み食用油を回収し、SAFの原料へと資源化する仕組みの構築を目指し、2024年度に家庭用の使用済み食用油の回収実証を実施予定です。
また、使用済みプラスチックやCO2などその他の再生資源についても、県内企業のニーズを捉え、資源循環に取り組む企業の拡大とネットワーク構築に向けた取組に順次着手する予定です。
サーキュラーエコノミーの実現においては、各ステークホルダーの連携が欠かせないことから、今回の包括連携協定締結を好機にして和歌山らしい地域資源循環モデルの創出を目指してまいります。
■ENEOS
ENEOSは、グループ長期ビジョンに掲げる通り、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け挑戦しています。その一環として、SAFサプライチェーンの構築を推進しており、原料となる使用済み食用油を持続可能な形で確保する仕組みを検討しています。また、グリーントランスフォーメーション(GX)のモデル拠点として「未来環境供給基地」を目指す和歌山製造所において、SAF製造の事業化検討を進めています。
本連携協定では、一般家庭からの使用済み食用油回収スキーム構築に加え、サントリーグループとの協業により、SAFの連産品であるバイオナフサを活用したバイオPETボトル製造を検討いたします。
本取り組みを通じ、サーキュラーエコノミーの実現および地域社会への貢献を目指してまいります。
■花王
花王グループは、地域社会との連携を深め、これまで捨てられてきたプラスチックや排ガス中に含まれるCO2を貴重な資源として循環させることによって持続可能な社会の実現をめざします。
我々は、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進しています。
経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、生活者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでまいります。
■サントリーホールディングス
サントリーグループは、自然と水の恵みに生かされる企業として、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」をパーパスとし、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきました。
資源循環の観点では、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のPETボトルを導入※したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発※2するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。2019年には「プラスチック基本方針」を策定し、PETボトルに関しては2030年までに「100%サステナブル化※3」することを目標にさまざまな取り組みを行っています。
直近では、全国で100を超える自治体と「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定締結を進めており、2023年9月には和歌山県内で初めて串本町と協定を締結しました。ENEOSとバイオマス資源の有効活用を目指し国内未活用の使用済み食用油調達における協業も開始しています。
※1 メカニカルリサイクルとして
※2 協栄産業など4社で共同開発
※3 リサイクル素材あるいは植物由来素材等100%に切り替え、新たな化石由来原料の使用をゼロにする
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