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2024/8/7
【サーキュラー・エコノミー】シーメンス、再生バイオ廃棄物由来バイオメタンを利用したBASFのプラスチックを電気安全製品に採用。年間270トンのCO2e排出量
シーメンス スマートインフラストラクチャー(本社:スイス ツーク)とBASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、バイオマスバランスのプラスチックで作られる部品を使用した、初の電気安全製品を発表した。シーメンスのSIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、産業用途やインフラ用途で使用されるもので、現在、バリューチェーンの最初の段階で化石原料を農業廃棄物などの再生可能資源由来のバイオメタンに置き換えたBASFのUltramid® BMBcertTMとUltradur® BMBcertTMを使用して製造されている。これらの材料は、従来のプラスチックと同等の品質と性能を備えている。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーの生産における材料を切り替えることで、年間最大270トンの CO2e(二酸化炭素換算値)排出量が削減される[※1]。これらの製品を使用するユーザーは、より持続可能な未来に向けたサーキュラー・エコノミーに貢献することができる。
この切り替えは、シーメンスのサステナビリティ目標である脱炭素化と資源効率の分野に貢献する。シーメンスはDEGREEフレームワークで概説している通り、2030年までにスコープ1とスコープ2で90%削減を達成するという目標を含む、科学的根拠に基づく1.5℃の脱炭素化目標や、2030年までに関連製品群の100%にロバスト・エコデザインを適用するという目標を掲げている。
シーメンスは今後数カ月の間に、SIRIUSの産業用制御機器ポートフォリオ全体で持続可能な材料の使用を拡大する予定。製品の設計や機能、製造・供給プロセスに加え、材料の選択もCO2排出量のさらなる削減や天然資源の保全に大きな役割を果たす。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、最近導入されたSiemens EcoTechラベルの厳しい基準を満たしている。このラベルは、選択された環境基準における製品性能を総合的に判断できるよう設計されたもの。今回のサーキットブレーカーは製品の筐体と機能部品の大半にバイオマスバランスのプラスチックを使用していることに加え、旧製品と比較して耐用年数期間中の消費電力が低く抑えられる。
シーメンス スマートインフラストラクチャーの電気製品部門CEOであるアンドレアス・マテ氏は次のように述べている。
「私たちは、ライフサイクル全体を通じてエネルギー使用、生産、サプライチェーンを最適化する資源効率の高い循環型製品により、お客様の設備性能、供給能力、信頼性の向上を支援しています。BASFは、持続可能なプラスチック分野におけるイノベーションで私たちをサポートしてくれる強力なパートナーです」
BASFは、製品の製造において再生可能原料やリサイクル原料の使用を増やすことで、サーキュラー・エコノミーと脱化石資源への貢献に注力している。これは、化石原料を徐々にバイオベース原料やリサイクル原料に置き換えるプロセスを通じて実現される。再生可能原料やリサイクル原料はマスバランス・アプローチに基づいており、BASFの複合的なバリューチェーンの生産の初期段階で導入されるす。顧客がこのようなバリューチェーンの認証済み製品を購入した場合、BASFは持続可能な原料をBASFの現行の生産フェアブント(統合生産)に投入する。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるマーティン・ユング氏は次のように述べている。
「マスバランス・アプローチは、時に複雑な生産プロセスにおいて、化石原料を徐々に置き換えていくことを可能にする画期的なソリューションです。このアプローチの利点は明らかで、代替製品に対する需要が大きくなればなるほど、生産ネットワークにおける代替原料の割合も高くなります。これは、サーキュラー・エコノミーとネットゼロ運用をできるだけ早く達成するという私たちの目標に合致しています。また、今回のプロジェクトの特別な点は、SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーがBASFの生産工場でも使用されていることです。このサーキットブレーカーはモーターを保護するだけでなく、効率と信頼性を高め、当社のサステナビリティ目標に二重の貢献をしています」
マスバランス・アプローチにより、バイオメタン、バイオナフサ、熱分解油などのさまざまな代替原料をバリューチェーンに統合することができる。BASFが使用するバイオナフサとバイオメタンは、ISCC PLUSやREDcertなどの確立されたシステムにより、持続可能なものとして認証されている。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、資源効率の高いプラスチック生産の証であり、BASFのプラスチック・ジャーニーにおけるマイルストーンである。
「このような革新的な材料を、安全機能と性能を損なうことなく、重要な安全部品に採用できたことは、シーメンスならではの成果です」とアンドレアス・マテ氏は付け加えている。
世界中の工場やビルで使用されているサーキットブレーカーは、機械や電気ケーブルを短絡などの障害から保護し、火災などの大きな被害を防ぐ役割を果たしている。また、火災などによる大きな被害を防ぐのにも役立っている。持続可能なプラスチック部品を使用したSIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、2024年6月10日~14日までフランクフルトで開催されたACHEMA見本市のホール11、シーメンスブースE3で初公開された。また、Siemens EcoTechの詳細も同時に提供された。
※1 材料の製品カーボンフットプリントはTfS方式に基づき、BASFのバイオマスバランス製品のCO2削減量を従来のBASF製品と比較している。
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