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2025/1/6
【シミュレーションツール】ABB、自動車塗装工場のコストと排出ガスを削減するESSに資本参加
・精密塗装工程シミュレーションソフトウェアのリーディングプロバイダであるEngineering Software Steyr GmbH(ESS)との提携により、粉塵や飛沫の挙動、熱伝導、流体の動きをシミュレーションする最先端のアルゴリズムを開発
・試作の必要性をなくすことで稼働開始までの期間を最大1カ月短縮し、塗装工程での作業コストを最大30%削減
ABBは、オーストリアに本社を置くESSと戦略的提携を結び、自動車塗装工場のオペレーションを変革し、コストを最大30%削減する強力なシミュレーションツールを開発する。この提携の一環として、ABBはESSに少数株主として出資する。出資の詳細は公表されていない。
ABBロボティクス、ディビジョンプレジデントのマーク・セグーラは、次のように述べている。
「塗装工程により迅速でエネルギー効率の高いソリューションを提供することは、自動車産業における製造のデジタル化に対するパズルの最後の1ピースです。私たちがESSと共同開発している革新的なソリューションは、自動車の開発期間を最大1ヶ月短縮し、最大30%のコスト削減を実現します。これによりメーカーは競争力、効率性、レジリエンスを向上させることができます。このソリューションを使用することで、年間30万台の車両を生産するメーカーは、CO2 の排出量を年間約17,000トン削減できる可能性があります*。これは、旅客機が地球を19周するのに相当します**」
一般的な自動車塗装工程は、脱脂、電着塗装からシーリング、スプレー、焼き付けまで、20以上の個別の工程によって構成されている。各工程では、材料の粘度、接着性、乾燥時間など、さまざまなパラメータが考慮されるが、これらは新モデルの量産を開始する前にテストと最適化を行う必要がある。従来、各作業の実施には費用と時間がかかっていた。
ESSのCEO 、マーティン・シフコ博士は次のように述べている。
「イノベーションを実現するために適切なデジタルツールにアクセスできることは、大企業、中小企業を問わず、すべてのプレイヤーにとって極めて重要です。現在、市場にはそのようなツールが数多く存在しており、規模の小さい企業にとってはデジタルの力を活用することが困難です。当社は、シミュレーション技術をすべてのメーカーが利用できるようにすることで、公平な競争の場を提供することを目指しています。当社のソリューションにより、メーカーはより迅速に技術革新を実現するとともに環境への影響を低減し、要求の厳しい業界で競争力を維持することができます。
この提携により顧客はABBロボティクスの自動車塗装工程における幅広い専門知識や、精密なディテールを再現するインクジェット方式のビジョン制御塗装ヘッドPixelPaint、最大99%の塗装機効率を実現し、塗料や材料の使用量を削減する高塗着塗装機RB1000i-Sなどの先進的な自動化ソリューションの導入による利点を活用することができる。
ABBは、世界で最も普及しているロボットアプリケーション用オフラインプログラミングおよびシミュレーションツールであるABBのRobotStudio®に、ESSの技術を統合する。このソフトウェアは、デスクトップ、クラウド、ARプラットフォームで利用可能。
* ABB/ESS社内分析を根拠として、標準的なエネルギーミックスで100kWhの省エネに加え、車体1台あたり2.8kgの廃棄物とオーバーコーティングの削減により、年間30万台の生産台数を想定した場合、年間16,860トンのCO2削減と試算
** 250席のボーイング787-8型機を想定。業界平均の排出量は1マイルあたり1席につき142.25g(IBA分析)
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