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2025/9/10

【セラミック】京セラ・京都フュージョニアリング、フュージョンエネルギープラント向けセラミックスの共同開発契約締結

 京セラ京都フュージョニアリングは、フュージョン(核融合)エネルギープラント向けセラミックスに関する共同開発契約を締結した。

 また、京セラは、グローバル・ブレインと共同で設立したコーポレート・ベンチャー・キャピタルファンド 京セラベンチャー・イノベーションファンド 1 号(KVIF-I)を通じて京都フュージョニアリングへの出資も行っており※1、両社の協業によりフュージョンエネルギーの早期実現を目指す。

※1:2025年9月9日「京セラベンチャー・イノベーションファンド 1 号の出資案件、京都フュージョニアリングへの出資について」
https://www.kyocera.co.jp/rd-openinnovation/news/kvif1_KyotoFusioneering.html

 

協業の背景
 フュージョンエネルギーは、クリーンでほぼ無尽蔵なエネルギー源として、地球規模のエネルギー問題や温暖化対策の切り札となり得る技術であり、従来の火力発電や原子力発電に比べ、温室効果ガスや長寿命放射性廃棄物の排出が少ない点が大きな利点だ。 
 しかし、実用化のためには、高温・高電圧・強い中性子線といった過酷な環境下で安定して稼働する材料が不可欠。セラミック材料は、優れた耐熱性・絶縁性・耐食性・放熱性・耐放射化性を備えており、これらの厳しい要求に応えることができる。そのため、フュージョン炉の内部構造や絶縁部材、冷却系・熱利用系など、多様な用途でのセラミックスの応用が期待されている。
 今回の契約を通じて、京セラが培ってきた高度なセラミック技術および知見と、京都フュージョニアリングが持つフュージョンの材料と工学に関する知見を掛け合わせ、フュージョンエネルギー分野の技術課題の解決に向けた研究開発に貢献していく。

協業の概要
 今回の共同開発や出資を通じて、京セラは、フュージョンエネルギープラント向け部材や製品に関する先端情報を入手し、セラミック技術をフュージョンエネルギー用途へ展開する可能性を追求する。一方、京都フュージョニアリングは、フュージョンエネルギープラントに欠かせない熱の取り出しのための「ブランケット」や「燃料供給システム」を対象に、最新のセラミック技術を取り入れた技術開発を加速させる。

 両社連携による取り組みは次の通り。
1) フュージョンエネルギープラント向けシリコンカーバイド複合材の開発
2) トリチウム回収用SOEC関連部品の開発
3) その他、フュージョンエネルギープラント向け部品技術の共同探索
 両社は、今後も最先端技術の開発を通じて、人類社会の持続的な発展と地球環境の保全に貢献していく。

京セラ 執行役員 研究開発本部長 仲川 彰一氏コメント
 夢のエネルギーと称されるフュージョンエネルギーの実現に貢献すべく、弊社が長年培ってまいりましたセラミックスを中心とした材料技術を活かして、この挑戦に一緒に取り組めることを大変嬉しく思います。京都フュージョニアリング様が有する核融合に関する豊富な知見と、エネルギーを取り出すための優れたエンジニアリング技術に基づく材料・部品への高いご要望にお応えすることで、弊社の材料技術をさらに高めてまいります。また、両社が力を合わせて協業することで、フュージョンエネルギーの実現に向けた技術開発を加速できると確信しています。今後も緊密な連携を通じて、人類社会の持続的な進歩発展に貢献してまいります。

京都フュージョニアリング代表取締役社長 小西 哲之 氏コメント
 フュージョンエネルギーの実現には、オンリーワンのものづくり技術を持つ京セラ様のような企業との連携が不可欠です。両社の協業によって、フュージョンエネルギープラントが直面する極限環境下に耐える先端セラミック材料やコンポーネントの開発等に取り組み、さらにはフュージョンエネルギーを利用した新しいエネルギーシステムを共同で開発することで、フュージョンの社会実装に向けた取り組みを一層加速させ、人類の持続可能な未来の実現に貢献できると確信しています。

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