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2024/1/16

【セルロースファイバー成形材料】パナソニックグループ、バイオマス度90%以上の「kinari」のサンプル販売開始

 パナソニック プロダクションエンジニアリングは、パナソニック ホールディングス マニュファクチャリングイノベーション本部で開発したバイオマス度[1]を90%以上に高めた成形材料を「kinari」※1(以下、kinari90)として、2024年1月よりサンプル販売を開始する。併せて、「kinari70」については量産販売に切り替える。


 パナソニックグループでは持続可能な未来に向けた長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」において、2050年に向けて、全世界CO2総排出量の「約1%(≒3億トン)」の削減インパクトを目指している。その中の1つの取り組みとして、2015年より石油由来樹脂の使用量削減による環境負荷低減を目指し、天然由来のセルロースファイバーを活用した材料開発を進めてきた。2019年にはセルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari55-PP」を、2021年2月にはセルロースファイバーを70%の高濃度で樹脂に混ぜ込んだ成形材料「kinari70」の開発に成功。さらにバイオマス度を高めるため、石油由来樹脂(ポリプロピレン)をサトウキビの搾りかすである廃糖蜜から作られるバイオポリエチレン(バイオマス度90%以上)に置き換えし、成形材料としてバイオマス度90%以上で「kinari55-PP」と同等の強度をもつ成形材料を開発した※2
 「kinari55-PP」については2022年12月より量産販売を、「kinari70」については2023年4月よりサンプル販売を開始※3し、多くのユーザーに検討してもらっている。そして、この度、成形材料「kinari90」についても、2024年1月よりサンプル販売を開始する。併せて、サンプル販売をしていた「kinari70」については、「kinari70-PP」として量産販売に切り替える。顧客の要望にあわせて、材料特性の調整や生産財(金型や成形プロセスなど)の提供も行い、高濃度セルロースファイバー成形材料の特長である高強度とデザイン性を活かし、家電筐体や車載部品、並びにハウジング内装部材、また衣料品や日用品、食品容器など様々な業界に対し、環境への貢献と新たな商品価値創出の両立を目指し、展開を進めていく。

<kinari90の特長>

  1. バイオマス度90%の高濃度セルロースファイバー成形材料
  2. kinari55-PPと同等の強度を達成
  3. 主成分が天然由来成分(セルロースファイバー55%含有)となり、樹脂使用量を削減可能
    ※1:「kinari」はパナソニック ホールディングスの登録商標
    ※2:パナソニックグループ プレスリリース
     2022年3月18日 バイオマス度90%以上のセルロースファイバー成形材料を開発
    ※3:パナソニックグループ プレスリリース
     2023年3月16日 70%高濃度セルロースファイバー成形材料『kinari』のサンプル販売開始
    [1]バイオマス度:材料に含まれる植物・生物由来の原料(バイオマス原料)の割合のこと。
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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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