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2024/9/26

【セルロース繊維配合樹脂】巴川コーポレーション 「グリーンチップ CMF」500円/kgを目指す

 巴川コーポレーションは、木材由来のセルロース繊維配合樹脂「グリーンチップ CMF」の年間販売量2,000トン、単価500円/kgを目指す。
 「グリーンチップ CMF」は「グリーンチップ CMF」はエフピー化成工業との共同開発品である、木材由来のセルロース繊維を55%配合した複合樹脂。セルロース繊維を高配合できるため、石油由来樹脂の使用量を大幅に削減できる。テーブルウェアを中心に採用が拡大しているほか、日用品、工業製品、家電分野、自動車分野など様々な分野での採用検討が進んでいるが、セルロース繊維配合樹脂を本格的に社会実装するには、技術的には物性、成形性の課題があるす。また、もっとも大きな課題が価格。

 物性については、自動車分野を想定すると耐衝撃性の課題を克服する必要がある。巴川コーポレーションでは耐衝撃グレードでシャルピー衝撃強度11.5kJ/m2を達成し、自動車部品メーカー様向けでサンプルワークを開始している。
 成形性については、セルロースファイバーを55%と高配合していながら、現在量産しているグレードではメルトフローレート(MFR)が20g/10minあり、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)と同等レベルの成形性を実現している。また、成形性の向上を目的としたMFR50g/10min以上のグレードも供給可能。
 巴川コーポレーションは「お客様と共に、バイオマス材料が日常で使われる市場を形成したい」という想いから、販売を促進するためにコスト低減を検討、活動してきた。そしてこの度、「グリーンチップ CMF」の生産工程を効率化することで「1,000円/kg以下での販売」に目途がついた。
 現在、既に供給能力は1,200トン/年を保有しているが、普及の拡がりに合わせて供給能力も更に拡大し、2028年に年間販売量2,000トン、単価500円/kgを目指す。
<「グリーンチップ CMF」について>
(1)環境対応
・紙の原材料であるセルロース繊維の高配合が可能
・石油由来樹脂の使用量を削減=減プラが可能
・CO₂排出量20%削減(セルロース繊維55%配合品、当社による試算)
・マテリアルリサイクルしても強度の減衰が小さい
(2)機械特性
・未強化PP樹脂と比較して、強度、耐熱性が向上。成形品の薄肉化、軽量化が可能
・低収縮率で寸法安定性に優れる
(3)成形性
・樹脂の流動性が良好でお使いの金型でも成形可能
・PP樹脂以外の樹脂にもコンパウンドが可能
・独特の風合いを生かした意匠性

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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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