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2025/9/10

【ディスプレイ】BASF、LCDバックライト用途向けQDレベルソリューション「QDYES」をアップグレード

 BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、LCDバックライト用途向けに設計された最先端の量子ドットレベル(QDレベル)ソリューションである、「QDYES™」の性能を大幅にアップグレードしたことを発表した。2025年に導入された同アップグレードは、広色域ディスプレイの製造を目指すメーカーに、より環境負荷の少ない高効率なソリューションを提供する。

BASF、LCDバックライト用途向けに設計された最先端の量子ドットレベル(QDレベル)ソリューション「QDYES」をアップグレード
写真:BASF

 2021年に上市したQDYESは、革新的な有機光変換技術によりバリア層を不要にするとともに、カドミウムや鉛などの重金属を含む従来のQDレベル材料に起因する環境問題に対処する。今回のアップグレードでは、設計の柔軟性を高め、超ナローベゼルの実現に加え、ハイエンドディスプレイ製品における持続可能なテクノロジーに対する需要の拡大にも応える。

 世界のフラットパネルディスプレイ市場は、家電製品、デジタルサイネージ、超高解像度ディスプレイへの需要増加を背景に、急速な成長を遂げている。メーカーが広色域ディスプレイへの移行を進める中、環境に優しい光変換ソリューションの必要性が非常に高まっている。QDYESは効率的な代替手段を提供し、適切なカラーフィルターと組み合わせることで、DCI-P3色域で100%、Rec2020色域で80%を実現する。

 QDYESの際立った特長は、高効率と狭い発光スペクトルであり、これにより高い輝度と大幅な省エネを可能にする。光効率を10%以上向上させたアップグレードにより、QDYESは優れた色安定性と高速な光学応答性を兼ね備え、ゲームや動画再生といった用途にも最適だ。

 BASFの独自技術である「Sunvue®」色変換技術は、広色域を維持しながら、長波長の青色LED光を高品質な白色光へと変換することで、QDYESの性能を向上させる。この革新的なアプローチは、QDYESがRoHS指令に完全に準拠し、有害物質を含まないことからも、BASFのサステナビリティへのコミットメントを示している。

革新的な光変換ソリューション、BASFのQDYESが未来のディスプレイ技術を牽引。
写真:BASF

 BASFの電子材料部門のシニアバイスプレジデント、イェンス・リーバーマンは次のように述べている。
「QDYESのアップグレードにより、私たちは有機材料がQDレベルのディスプレイ性能を実現できることを実証し、ディスプレイ市場における新たな基準を確立しました。このソリューションは、持続可能なイノベーションという当社の戦略を体現するものであり、製造メーカーの皆様に高性能で環境に優しい代替案を提供します」

 QDYESは、色変換フィルム、拡散板、共押出シートなど、さまざまな部品に使用できる。製造工程を簡素化し、サプライチェーンの複雑さの軽減により、BASFは最先端の持続可能な設計を追求する製造メーカーにおいて、最適なパートナーとしての地位を確立している。

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