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2024/6/21

【ナノ分離膜を用いたDAC】東京応化工業、Carbon Xtractとの共同開発契約締結

 Carbon Xtrac東京応化工業は、ガス分離膜を用いて大気中からの二酸化炭素(CO2)の直接回収(DAC:Direct Air Capture)を可能とするシステムの早期社会実装に向けた共同開発契約を締結した。
 共同開発における両社の具体的な役割は、東京応化工業が、将来的な量産を見据えた膜の開発や製造を担い、Carbon Xtractが、膜の評価を行うとともに、膜を用いた装置の開発・製造を担う。
 昨今、温室効果ガス削減を目的としてCO2を分離回収する技術が注目されている。Carbon Xtractと東京応化工業は、世の中のニーズに応えるべく、両社の技術・ノウハウを融合させることで、ナノ分離膜を用いたDAC技術であるm-DAC(R)(※1)(membrane-based Direct Air Capture、以下「m-DAC(R)」)の量産に向けて開発を加速させる。
 Carbon Xtractは、九州大学とナノメンブレン(※2)、双日が出資する企業であり、九州大学が長らく研究開発を進めてきたナノレベルに薄いガス分離膜を用いたDAC技術と回収したCO2の利活用技術の早期社会実装を推進している。m-DAC(R)は、空気を膜でろ過するだけでCO2を回収・濃縮するという世界で初めての革新的技術であり、これを装置化することでさまざまな場所において大気中からのCO2を直接回収することが可能になる。
 東京応化工業は、半導体用フォトレジストにおいて世界トップクラスのシェアを有している。微細加工技術と高純度化技術を活かし、ファインケミカルの分野で事業を展開してきた。半導体分野で培った柔軟性の高い開発力をベースに、製品・技術に磨きをかけ、新たな開発テーマにも果敢に挑戦しており、九州大学やナノメンブレンとはCarbon Xtractの設立(2023年5月)より以前から膜に関する共同での研究開発を進めてきた。
※1 ナノ分離膜を用いたDAC技術「m-DAC(R)」
 大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する技術。九州大学が研究開発を進めるm-DAC(R)は、空気を膜でろ過するだけでCO2を回収する方法で、従来のCO2分離膜と比べ極めて高いCO2透過性を有すナノ分離膜を使用することが特徴。
※2 ナノメンブレン
 理化学研究所での研究成果である巨大ナノ膜の発見を実用技術へと展開する目的で設立された材料ベンチャー。

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