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2024/11/12

【ネットゼロ】ヘンケル、気候保護のコミットメントを拡大

 ヘンケルは、「意義ある成長」アジェンダのサステナビリティビジョンに従い、ネットゼロへのロードマップを示し、バリューチェーン全体の排出削減目標を大幅に拡大した。ネットゼロの達成に向けて、ヘンケルは以下の目標を定めた。
⚫2030年までにスコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量総量を42%削減する(基準年:2021年)
⚫2030年までにスコープ3のGHG排出量総量を30%削減する(基準年:2021年)
⚫2045年までにスコープ1、2、3のGHG排出量総量を90%削減する(基準年:2021年)
 これらの新しい目標は、企業がパリ協定をふまえてネットゼロ目標を設定するための支援を行う企業の気候変動対策組織である「SBTi(Science Based Targets initiative:科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)」による検証も受けた。
 ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベル氏は、「私たち全員が責任を持って、パリ協定で定められた通り、地球温暖化を 1.5℃に抑えるために協力しなければなりません。私たちはすでにそのしきい値にあまりにも近づきすぎています。したがって当社は、バリューチェーン全体における具体的な行動を示し、2045年までに温室効果ガス排出量のネットゼロを達成するために、気候変動に関するコミットメントを拡大しました」と述べている。

新たなネットゼロ目標はバリューチェーン全体の排出量をカバー

 ヘンケルの新しいネットゼロ目標は、以前の気候目標に比べて、より広範なバリューチェーンをカバーしている。スコープ1とスコープ2の排出目標は、生産工程からの排出だけでなく、オフィスビル、倉庫、研究開発、保有車両を含むすべての事業活動を包含している。
 スコープ3の排出削減目標は、バリューチェーンの上流と下流の両方で生じるヘンケルの間接排出をカバーしている。この科学的根拠に基づく新たな目標は、原材料やパッケージからの排出に加えて、ロジスティクスや製品のライフサイクル終了時の処理などからの排出も含む。さらにこの目標には、CO2のみならず、COP3で採択された京都議定書で定められた7つの温室効果ガスのすべてが含まれる。
 「ネットゼロ」とは、人間が生み出すすべての温室効果ガスの排出を、それを大気中から除去することによって相殺することを意味する。これは、SBTiの「企業ネットゼロ基準」のもとでは、例えば革新的な炭素回収技術などを通じて残余排出量を中和する手法を採用する前に、直接的な削減措置によってバリューチェーン全体(スコープ1、2、3)の排出量総量を少なくとも90%削減した状態とされている。

最大の排出削減

 ヘンケルの自社拠点での直接的な削減措置は、主に、エネルギー効率の改善と再生可能エネルギーの使用拡大によって残りのエネルギー需要をカバーすることに重点を置く。ヘンケルの購入電力(再生可能エネルギー由来の電力)の割合は、すでに世界全体で 89%に達している。ヘンケルは先ごろ、ヨーロッパのコンシューマーブランド事業部のすべての生産工程をカーボンニュートラルエネルギーに転換するという重要なマイルストーンを達成した。
 サプライチェーン上流のCO2排出の評価を次の段階へと進めるために、ヘンケルは、世界中のサプライヤーを対象とした包括的なエンゲージメントプログラム「Climate Connect」を立ち上げた。このプログラムは、排出データの収集、削減に向けた共同行動、サプライヤーの継続的なアップスキリングを通じて、両事業部門のバリューチェーン全体の脱炭素を進めることを目的としている。
 さらにヘンケルは、アドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)とコンシューマーブランドで使用される低排出・再生可能・リサイクル原材料の割合をさらに増やすための取り組みも進めている。
 ヘンケルは、サステナブルパッケージ戦略のもと、包装材料の使用量を最小限に抑えるとともに、低排出・リサイクル・再生可能パッケージの割合を最大化することにより、排出削減に貢献している。例えば、ヘンケルの一般用接着剤のカートリッジに使用される新型パッケージのコンセプトは、使用済み製品由来のリサイクルプラスチック(PCR材)を最大95%使用することにより、バージンプラスチックの使用量を大幅に削減する。このイニシアチブはヨーロッパ全域で展開されている。
 スコープ3の排出量の大部分は製品アプリケーションの段階で発生するため、ヘンケルは的を絞ったコミュニケーションを通じて、消費者に対し、より責任感のある行動を促したいと考えている。
 これらの排出に直接影響を及ぼすことはできないため、ネットゼロ目標の設定から除外されてはいるが、例えばヘンケル コンシューマーブランドの「It starts with us」イニシアチブなどを通じた消費者教育に今後も力を入れていく。このキャンペーンは、消費者の日常生活でのより資源効率の高い製品使用法を提案するものである。

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