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2024/6/14

【バイオガス発電】キヤノンマーケティングジャパン、施設の臭気対策として「次亜塩素酸水式脱臭システム」受注

 キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)は、新潟特殊企業が運営する「バイオマスエコセンター」のバイオガス発電設備の建設工事を請け負う、ヴェオリア・ジェネッツより、汚泥や廃棄物からバイオガスを回収する際の臭気対策として「次亜塩素酸水式脱臭システム」を受注した。2026年の運転開始を予定している。

バイオガス発電における脱臭フロー

バイオガスを取り巻く背景
 地球温暖化やエネルギー問題により、近年では貴重な再生可能エネルギーの1つとしてバイオガス※1が注目されている。バイオガス発電は天候によって左右される太陽光発電や風力発電とは異なり、安定したエネルギー供給が可能。また廃棄物を発電に利用するため、環境への負荷を減らし循環型社会の構築に貢献する。一方で、バイオガスは食品系廃棄物や汚泥などから回収するため、有機物の発酵などにより発生する臭気への対策が求められる。 バイオガスは、アンモニアだけではなくアセトアルデヒドや低級脂肪酸などさまざまな臭気成分を含んでおり、通常、臭気に合わせて酸やアルカリなど数種類の薬剤による脱臭に加え、活性炭などによる脱臭が必要。そのため、脱臭設備の維持コストと管理の煩雑さが課題となっている。

バイオマスエコセンターに導入される「次亜塩素酸水式脱臭システム」
 このたび、キヤノンMJは新潟特殊企業が運営するバイオガス施設「バイオマスエコセンター」の臭気対策として、「次亜塩素酸水式脱臭システム」を受注した。水、廃棄物処理、エネルギー分野において環境課題を解決しているヴェオリア・ジェネッツが請け負う、同センターのバイオガス発電施設の脱臭設備として導入され、2026年の本格稼働を予定している。
 キヤノンMJの「次亜塩素酸水式脱臭システム」は、次亜塩素酸水の生成を1分間に約12Lという大容量かつ低コストで実現する。また次亜塩素酸水は、薬剤に比べ幅広い臭気成分の脱臭が可能。そのため、薬剤による湿式脱臭の後に必要な活性炭による乾式脱臭において、臭気吸着量を減らし交換頻度を削減または省くことも可能。これにより脱臭システム全体のランニングコスト低減を実現する。さらに、次亜塩素酸水の生成に炭酸ガスを用いるため、生成過程で人体に有害なガスを発生させることなく安全に運用することが可能。
 「バイオマスエコセンター」に導入される「次亜塩素酸水式脱臭システム」は、スクラバー※2脱臭方式で構成され、キヤノンMJ独自のノウハウをもとに、臭気種や臭気濃度に合わせてスクラバーのサイズ、次亜塩素酸水の濃度、生成量などシステムの仕様を最適化した。新潟特殊企業と行った実証実験では、新潟県の悪臭防止法の基準※3への対応を実現している。
 キヤノンMJは安全で低コストな「次亜塩素酸水式脱臭システム」を、バイオマスプラントや下水道汚泥処理施設などへ展開し、再生可能エネルギーとして注目されるバイオガスの利活用促進を支援することで、持続可能な社会の実現に寄与していく。
※1 生物の排泄物、汚泥、生ごみや紙ごみなどの有機物から微生物により発生するガス。
※2 排気された臭気を薬液充填部に送り、次亜塩素酸水をはじめとする洗浄剤で脱臭するための装置。
※3 新潟県が指定する規制地域の、区域区分ごとの臭気指数を定めた基準。

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