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2023/12/25
【バイオマスPTA】出光興産/Oriental Petrochemical (Taiwan)/丸紅、サプライチェーン構築。PET樹脂のバイオマス化に寄与
出光興産、Oriental Petrochemical (Taiwan) Co., Ltd.(OPTC)、丸紅の3社は、植物などを由来とするバイオマスナフサを原料とした、バイオマス高純度テレフタル酸(*1)(バイオマスPTA)のサプライチェーンを構築することに合意した。バイオマスPTAの製造は、台湾において2024年の開始を予定している。台湾でのバイオマスPTAの製造は初めての事例。
本事業のサプライチェーン図
本サプライチェーンでは、出光興産がマスバランス方式(*2)にてバイオマスナフサからバイオマスパラキシレン(*3)(バイオマスPX)を製造する。PET樹脂において世界有数の製造会社であるFar Eastern New Century Corporationのグループ会社で、PTAメーカーのOPTCがバイオマスPXを原料としてバイオマスPTAを製造する。丸紅は、サプライチェーン構築における全体のマネジメントやバイオマス製品のマーケティングを担う。
PET樹脂はPETボトルなどの原料となるプラスチックで、約70%のPTAと約30%のエチレングリコールで構成されている。バイオマスPTAとバイオマスエチレングリコールを使用することにより、100%バイオマス由来のPET樹脂の製造が可能となる。バイオマスエチレングリコールは、既に普及しているバイオマスエタノールを原料とするため製造が進んでいるが、PTAのバイオマス化が課題となっていた。
本サプライチェーンでは、PTAの原料であるPXをバイオマス化することでPET樹脂のバイオマス化に向けた課題を解決するとともに、CO2排出量の削減に寄与する。
バイオマスナフサは、植物を由来とする原材料などから製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を抑制することが可能。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のバイオマスPXは、持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS認証」(*4)を取得している。またOPTCも、2024年に「ISCC PLUS認証」を取得予定。
3社は、今回新たに構築したサプライチェーンを通して、プラスチック産業のCO2削減および低炭素社会の早期実現に貢献していく。
*1 高純度テレフタル酸(PTA):芳香族カルボン酸の1つ。PTA(約70%)とエチレングリコール(約30%)を反応させることでポリエチレンテレフタラート(PET)が作られる。PET樹脂はポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる。
*2 マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法。複数の生産工程を経て製品化に至る化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段としてマスバランス方式が有効とされている。
*3 パラキシレン(PX):芳香族炭化水素の1つ。ポリエステル繊維やPETボトル用樹脂の原料となる高純度純度テレフタル酸(PTA)の原料として用いられる。
*4 ISCC PLUS(International Sustainability and Carbon Certification)認証:バイオマスなどの持続可能な原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度、マスバランス方式の採用が認められている。
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