アーカイブ情報
2024/12/23
【フィルム型ペロブスカイト太陽電池】三菱UFJ銀行と積水化学工業、国内初、銀行店舗・研修施設での共同実証実験開始
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の連結子会社である三菱UFJ銀行と積水化学工業は、2050年の脱炭素社会実現に向けて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を三菱UFJ銀行の大井支店(東京都品川区)およびMUFGグローバルラーニングセンター(神奈川県横浜市西区)に設置し、実証実験を行う旨の協定書を締結した。
世界全体で気候変動が問題視され、2050年の脱炭素社会実現に向けてエネルギーの脱炭素化が求められるなか、フィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟という特長により、従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への設置が可能となり、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている。経済産業省はこの新型太陽電池「ペロブスカイト」を2040年度に20GW(家庭の使用電力の1割程度)導入する政府目標を発表しており、企業への量産支援や需要促進策を講じて導入を進めている。
積水化学工業は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の肝といわれる屋外耐久性において10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築しました。さらに、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しており、さらなる耐久性や発電効率の向上、1m幅の製造技術の確立に向けて開発を加速させている。
MUFGは2021年5月にカーボンニュートラル宣言を行い、2030年までに自らの温室効果ガス排出量ネットゼロ、および2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量ネットゼロ達成を目指している。我が国の事業者全体の脱炭素の取り組みにおいて有効なソリューションの1つとなりうるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の有効性を自らの施設にて検証し、「世界が進むチカラになる。」という存在意義(パーパス)に基づき、自社の脱炭素推進・顧客の脱炭素支援・当該技術の普及支援・行員の環境意識醸成等、様々な目的に役立てるべく実証実験に参画する。
実証の内容
1.三菱UFJ銀行大井支店(東京都品川区大井1-6-8)
フィルム型ペロブスカイト太陽電池の社会的認知度向上を目的とした都心店舗での取り組み
設置場所: カーテンウォールの室内側に固定する方法で検証
検証ポイント:
• 室内窓際に設置した場合の発電効果
• 耐久性の検証
電力用途:支店入口に位置する屋外向け掲示板用の照明へ給電
2. MUFGグローバルラーニングセンター(神奈川県横浜市西区みなとみらい4-8-1)
MUFG社員啓発を目的とした研修施設での取り組み
設置場所:施設屋上(シリコン太陽電池に併設して設置)
検証ポイント:
• 屋上防水シート面に設置した場合の耐久性
• 耐候性の検証
電力用途:食堂利用者向けの電源(モバイルバッテリー等に利用)に使用
今後の展開
三菱UFJ銀行は、本取り組みを通じて得られたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の有効性・課題を行内に周知することで、行員は当製品に係る正確な情報や評価に基づいて、顧客の導入に向けた金融支援業務を行っていく。
積水化学工業は、本取り組みを通じて得られたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の有効性・課題を検証し、2025年度からの実用化に向けて更なる品質強化に努める。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース