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2025/8/22
【ブルーシート水平リサイクル】萩原工業とあいホームが東北初の協定締結、建設現場から出る使用済みシートを再資源化

萩原工業と住宅メーカーのあいホームは、2025年8月22日、建築現場で使用されたブルーシートを回収・再資源化し、再びブルーシートとして活用する「水平リサイクル」の実現に向けた連携協定を締結した。建設業界における廃棄物削減と資源循環が急務となる中、萩原工業のブルーシート水平リサイクルプロジェクト「Re VALUE+」としては東北地方で初の取り組みとなる。あいホームの年間約250棟の建設現場から排出される約15トンのブルーシートを再資源化することで、持続可能な社会の構築を目指す。
この取り組みは、建築現場で使用されたブルーシートを再資源化し、再び建築資材として活用することで、持続可能な社会の構築に貢献することを目的とするものである。
萩原工業が取り組むブルーシート水平リサイクルプロジェクト「Re VALUE+(リバリュープラス)」としては東北地方初の提携となり新たな資源循環ルートの構築となった。
「Re VALUE+(リバリュープラス)」という名称には、3つの意味が込められている。「Re」はリサイクル、「VALUE」は新たな価値、そして「+」は、ブルーシートを再生することで生まれる新しい技術を象徴している。この取り組みにより、使用済みブルーシートに再び命を吹き込み、環境に配慮した建築資材として循環させることを目指している。
プラスチックは私たちの生活に欠かせない素材である一方、石油由来の限りある資源でもある。協定では、あいホームが建築現場で使用済みとなったブルーシートを回収し、萩原工業がそれを原料としてリサイクルブルーシート「リュバリュープラスシート」として再製造、再びあいホームに提供するという循環型の仕組みを構築する。
このプロジェクトでは、あいホームの年間約250棟の着工に伴い、約15トン分のブルーシートがリサイクル対象となる予定。使用済みシートは宮城県内の産廃処理業者により回収・中間処理後に保管、萩原工業指定工場まで運搬の後、萩原工業が有価で買い取り、岡山県内の協力企業へ運搬される。協力企業にて分別・洗浄を行い、再生ペレットとして原料化。その後、萩原工業が新たなブルーシートを生産し、再びあいホームの建築現場で活用される。

■ブルーシートのリサイクル工程

ブルーシートの用途は建築・土木・農業等々幅広く使用されることから、使用済みのシートには土や砂、植物片などの様々な物質が付着している。再びブルーシートの原料として使用するためには不純物を取り除いた再生ペレット原料を製造する必要がある。萩原工業はブルーシートをはじめとする合成樹脂事業だけでなく、かねてより機械製品事業にも注力してきた。培った技術力に加え、協力企業との協業などにより、課題であった不純物の少ない再生ペレットの製造装置を開発した。
2025年6月より使用済みのブルーシートを粉砕・洗浄・脱水し不純物を除去する洗浄ラインの本格稼働を行っており、さらに洗浄ラインとして設備の販売も開始している。
●湿式粉砕機械
ブルーシートに水をかけながら粉砕する。これにより付着物を叩き落とす。粉砕したシートは洗浄機により付着物を取り除く。
●浮遊沈殿槽
水槽の中を通し洗浄することで、比重の重い土や砂は水槽の下に沈む。これで終わることなく、さらにリファイナーと呼ばれる機械にかける。これは洗濯板をすり合わせるような動きで連続的なもみ洗いと叩き洗いを行うことが「すすぎ洗い」となり不純物が取り除かれる。
●圧搾脱水機
すすぎ洗いを行ったシートは脱水・圧縮処理されることにより水分率1~2%まで低減させる。
●凝塊されたシート
圧縮・脱水処理により、かたまりとなったシート
●ろ過装置(スクリーンチェンジャー)
圧縮・脱水処理により、かたまりとなったシートに熱を加え、溶融されたプラスチックを流す。粗目のメッシュと微細のメッシュを通すことで不純物が極限まで取り除かれる。
●再生ペレット
不純物が取り除かれたプラスチックをブルーシートの原料となる粒状のペレットに仕上げる。この再生ペレットは再度ブルーシートの原料として使用される。
●水処理装置
ブルーシートの洗浄で使用された汚れた水は洗浄ラインに接続された水処理ラインに移り、ここで汚れが取り除かれる。これにより再び洗浄ラインで使用される水に生まれ変わる。
■パートナー企業募集
萩原工業では、環境に優しいものづくりや資源循環に取り組むパートナー企業を募集している。共に未来をつくる仲間として、リサイクルの可能性を広げ、新たな価値を創造していきたいと考えている。
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