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2025/10/23
【ブレーキパッド用バインダー樹脂】住友ベークライト、耐摩耗性に優れたアミド変性フェノール樹脂スミライトレジン PR-5653を開発
住友ベークライトは、自動車用ブレーキパッド用バインダー樹脂として、耐摩耗性に優れたアミド変性フェノール樹脂スミライトレジン PR-56531を開発した。同製品の使用により、欧州排ガス規制Euro7で規制されるブレーキダストの発生量低減が期待できる。同社は環境負荷低減につながる製品で持続可能な社会の実現に貢献する。

開発の背景
近年、深刻化する大気汚染の改善に向け、自動車から排出される有害物質への規制が強化されている。特に2028年から適用開始予定の欧州排ガス規制Euro7では、ブレーキの摩擦によって放出される粒子(ブレーキダスト)の量も規制されることとなり、今後も更なる規制強化が予想されます。そのため、欧州市場向け自動車をはじめ、摩耗粉量を低減したブレーキシステムの開発が急務となっている。
同社は、自動車ブレーキパッド用の新たな耐摩耗バインダー樹脂として、アミド変性フェノール樹脂「スミライトレジン PR-56531」を開発した。
耐摩耗アミド変性フェノール樹脂 スミライトレジンPR-56531の特長
同社が開発した耐摩耗アミド変性フェノール樹脂「スミライトレジン PR-56531」は、ブレーキパッドの耐摩耗特性の向上に寄与します。当社内で実施したブレーキパッドモデル配合成形体のダイナモ試験において、未変性フェノール樹脂(ストレート樹脂)に比べて摩耗量が24%低減することを確認した。(図参照)
同製品は、従来の摩擦材製法に適用することが可能であり、摩擦性能を維持しながら耐摩耗性を向上させることができる。また、同社の海外拠点でも生産可能なため、中国や東南アジア、欧米など各エリアからの現地供給が可能。同社グループで、ユーザーのグローバルなニーズに迅速かつ柔軟に応える体制を整えている。

試験条件:制動初速度100km/h, 制動減速度3.5m/s2, 制動前ブレーキ温度300℃、制動回数300回
※上記データは1/10スケールダイナモメータによる同社内評価結果。
今後の計画

同製品の環境負荷低減の特性を生かし、欧州市場を中心に高機能摩擦材用バインダー樹脂としてのシェア拡大を目指す。現在、2028年より開始予定のEuro7対応のブレーキ摩擦材市場参入を目指し、国内外の摩擦材メーカーで性能評価が実施されている。2027年の量産販売開始を目標に、グローバルでの年間売上収益10億円に向けて取り組んでいる。
同社グループは、Euro7対応に限らず環境負荷低減やサステナビリティ、自動車の電動化に伴うブレーキの高機能化を意識した製品ラインナップの拡充を進めている。特に、短時間成形やバイオマスの技術導入など、次世代ニーズに応える製品開発に注力していく。
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