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2024/3/6

【プラスチック包装容器】花王、一般消費者を対象とした製造・販売事業者として初めてプラ新法の「製造・販売事業者等による自主回収認定」取得

 花王およびグループ会社の花王ロジスティクスは、2024年3月に経済産業省、環境省より、花王の事業場および鎌倉市で実施しているプラスチック包装容器の回収において、「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得した。一般消費者を対象とした製造・販売事業者としての認定は初めて。同認定は、2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項の1つ。認定取得により、廃棄物処理法の業許可なく、使用済みのつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収することが可能になる。

花王の茅場町事業場に設置している回収ボックス

日用品プラスチック包装容器回収の方法
 花王は、プラスチック包装容器の資源循環型社会の実現を目指し、自治体や企業等と連携して日用品の使用済みプラスチック包装容器のリサイクルの実証実験を展開している。実証実験では、使用済みのつめかえパックやボトルを回収し、再度容器にする水平リサイクルの技術開発を行っており、2023年5月には、再生材料を一部に使用したつめかえパックを開発、製品化している。
 現在日本において家庭から出る使用済みのプラスチック包装容器は、自治体が定めたルールに沿って「一般廃棄物」として処理されている。主な方法としては、燃えるごみとして一括回収し熱回収(サーマルリサイクル)または単純焼却する、資源物として分別回収し容器包装リサイクル法に沿ってリサイクルする、という2つがある。
 また、「廃棄物」については、適切に処理されるよう「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が定められている。使用済みのプラスチック包装容器を「廃棄物」として取り扱う場合には、この法律の対象となるため、許可を持った事業者でなければ回収することができない。そのため花王は、花王が分別回収する日用品の使用済みプラスチック包装容器を、「廃棄物」ではなく「有価物」として取り扱うことを認める自治体でのみ、回収の実証実験を展開している。

リサイクルつめかえパックができるまで

 今回花王が取得した「製造・販売事業者等による自主回収認定」は、2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項の1つで、製造・販売業者等の自主回収を促進するもの。認定を受けた事業者は、計画の範囲において業の許可が不要となり、許可を持たない製造・販売事業者が、回収・再資源化を実施することができるようになる。

認定を取得した花王の回収計画
 花王が自主回収の認定を取得したのは、使用済みつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収する計画。どちらもすでに「有価物」として回収を実施しているが、「廃棄物」としての回収が可能となる。使用済みつめかえパックを回収拠点から集約拠点へ移送後、花王の和歌山研究所のリサイクルパイロットプラントでの再資源化を予定している。同計画では、花王のグループ会社で物流を担う花王ロジスティクス等による既存の事業場間輸送便を活用することで、輸送コストや環境負荷を削減する。
 また、認定を得た計画と同様のパターンの回収については他地域で応用展開が可能なため、回収地域のスピーディな拡大も見込めう。今後は、これまでの「有価物」としての回収に加え、自治体や企業に対し、本計画を「導入が容易な回収モデル」として示し、リサイクルにおける連携を推進していく。

花王グループ内
 花王グループの事業場*に従業員が持参した使用済みつめかえパック(自社・他社製品問わず)を、花王ロジスティクスが回収。今後、回収対象を全国の全事業場へ広げていく。*スタート時は花王本社(茅場町)、すみだ事業場、および花王のグループ会社である花王グループカスタマーマーケティングの本店(茅場町)が対象。

鎌倉市
 鎌倉市が設置する「しげんポスト」(回収ボックス)で使用済みつめかえパック(自社・他社製品問わず)を回収、鎌倉市により鎌倉市内のリサイクルセンターに集約されたものを、花王ロジスティクスが回収

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