アーカイブ情報

2024/1/24

【プラ資源循環】レコテックの国産100%PCR材「pool resin」、豊田通商の梱包資材に定期採用開始

 レコテックは、自社サービスのCircularity Design Tool - pool (以下「pool」)を活用して回収、リサイクルすることによりトレーサビリティが担保された国産100%PCR材であるpool resinを、豊田通商の自動車部品向け梱包資材の原料として定期納入を開始した。
 昨今、気候危機や海洋プラスチック問題などの喫緊の課題により、脱炭素やサーキュラーエコノミーの実現が世界的に急務となり、欧米を中心にプラスチックの廃棄量削減やリサイクル材料の使用義務化などの具体的な法整備が進められている。具体例としてイギリスでは、2022年4月にプラスチック包装税を導入し、国内で製造または輸入されたPCR材含有率30%以下のプラスチック包装に対して、トン当たり200ポンドの税金が課せられている。
 また日本でも2022年にプラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行され、自治体や企業のあらゆるプラスチックにおける資源循環の取り組みを促進する法整備が進んでいる。特に自動車業界では、2023年7月に欧州委員会が提出した規制案によれば、新しい自動車の製造には、使用するプラスチックの25%がリサイクル材料でなければならないことが義務付けられた。そのうちの25%は、廃車部品からのリサイクル材料が条件となっている。そのため、自動車の本体においても、部品を梱包する資材においても、PCR材の活用が喫緊の課題となっている。
 そのような社会課題に対応するため、豊田通商はCL(Circular Logistics)プロジェクトを立ち上げ、廃棄物を残さない物流を目指して、物流資材へのリサイクル材料およびバイオマス材料の活用による低炭素化を推進している。特に、リサイクル材料の活用では、廃棄されるごみの発生を抑制し、自社事業にかかわる資源循環の仕組みを構築していくために、PCR材の採用を優先的に進めている。自社グループの資材から順次低炭素素材への切り替えを開始しており、2024年~ 2025年には自動車部品物流全体への展開、2030年にはCircular Logistics 100%を目指している。
■pool resinについて

 pool resinは、国内の商業施設から回収した廃プラスチックを再生させた国産100%のPCR材。原料を厳選し、poolで管理することによってトレーサビリティの取れた高品質なPCR材の提供を可能にする。
・高品質
 原料にアパレル関連で排出されるハンガーカバーや保護袋などをメインに活用することで、異物・汚れが少ないPP/PEを使用
・低炭素
 精度の高い分別により、廃プラスチックの再生工程で通常必要となる機械選別・洗浄・乾燥などの高エネルギー負荷プロセスを省略
・低コスト
 廃プラスチックを納品車両の帰り便で回収することで、物流にかかるコストを削減
・トレーサビリティ
 poolにより、原料の発生場所、運搬、保管、リサイクルの一連の工程をデータ管理
[スコープ3カテゴリ1排出量の比較]

[導入プロダクトについて]

 自動車部品の緩衝材にpool resinが活用される。導入率の向上を目指し取り組みを進める。
 今後は、pool resinのトレーサビリティの信頼性をさらに向上させるために、poolにおけるデータ収集の自動化、収集されたデータ管理へのブロックチェーン技術の導入、一連の情報管理プロセスをISCC Plusなどの第三者トレーサビリティ認証要件に準拠させるためのシステム改良を進めていく。また、今後のさらなる安定供給に向けて、pool resinの原料となる廃プラスチックの排出元の拡大、リサイクルパートナーとの連携を強化していく。
■レコテックについて
 レコテックは、「世代間責任を果たす」をミッションに掲げるClimate Tech Startup。現在の廃棄物の仕組みは、焼却もしくは埋め立てがほとんどで、次世代に負債を残している状況。テクノロジーでこの構造に変革を起こし、ネイチャーポジティブな経済発展ができる社会をつくることを目指している。
■Circularity Design Tool - poolについて
 poolは、資源価値の終わりを始まりに変えるクラウドサービス。都市資源をpoolでデータ化することによって回収効率を高め、リサイクル材料を活用したい製造業者と排出事業者を繋ぎ合わせて循環型サプライチェーンをデザインする。ごみの発生から、運搬、リサイクルのすべての過程で、スマホやタブレットで簡単に情報連携することで、リサイクル材を活用する上で欠かせない「どこから」「どのようなプロセス」を経てリサイクルしたかのトレーサビリティ情報とスコープ3カテゴリ1・5のCO2排出量情報を提供する。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP