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2024/2/29

【ペロブスカイト太陽電池】ベルテクス・パートナーズ、スロバキア政府と積水化学工業との共同検討で覚書締結を支援。欧州政府への橋渡しから覚書内容に関する対政府交渉を全面的にサポート

 ベルテクス・パートナーズは、スロバキア政府と積水化学工業との間で行われたペロブスカイト太陽電池の共同検討に関する覚書の締結について、両サイドへの提案から交渉、そして覚書締結までを支援した。
 本件における調印式は2024年2月9日に積水化学工業東京本社で行われ、ベルテクス・パートナーズからはF&S(ファイナンス&ストラテジー)事業部・ディレクターの会田健三氏が参加した。

調印式にて前列左から、3番目:積水化学工業 代表取締役社長 加藤敬太氏/4番目:スロバキア共和国 デニサ・サコヴァー 副首相兼経済大臣/5番目:スロバキア共和国 トマーシュ・タラバ 副首相兼環境大臣、後列左から1番目:会田健三、その他関係者

 会田氏は、脱炭素社会構築に向けた新エネルギー分野の投資・資金調達の実務経験や、欧米のエネルギー市場の政策・制度に関連した多岐にわたる知識と経験を持ち、京都議定書目標達成のための国家間排出権取引交渉の日本政府アドバイザーの実績や、欧州での2022年の大型太陽光発電所投資の国際会議を含め数多くの登壇経験がある。
 会田氏の海外での脱炭素化技術の社会実装に関する包括的な知識と、投資交渉や実務における豊富な経験に基づき、同社はスロバキア政府と積水化学工業の間の交渉をリードし、覚書の締結に向けて全面的な支援を行った。

ベルテクス・パートナーズの支援内容
 同社はペロブスカイト太陽電池の共同検討に関する覚書の締結において、カーボンニュートラル目標達成のために様々な検討を進めているスロバキア政府に対し、エネルギー対外依存度削減とカーボンニュートラル目標達成には、ペロブスカイト太陽電池の大規模な社会実装が有効であることを明示。一方、積水化学工業には、革新的な独自技術の輸出による世界市場への参入の重要性を訴え、欧州各国との交渉や、事業推進に必要な様々なコンサルティング支援を行った。
 その上で真っ先に手を挙げたスロバキア政府の積水化学工業中央研究所への受入承諾を得たのち、2023年4月のスロバキア政府代表団のアテンドから、その後の覚書内容の交渉支援に至るまで、両社の間に入り調整を行った。
 また、調印式では、スロバキア政府代表団と積水化学工業の間での交渉におけるサポートを担当。積水化学工業の中央研究所への受入承諾を取り付け、両社の間の交渉を円滑に進めた。
 今回の覚書締結により、スロバキア政府は大学や政府機関と連携し、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に関する課題を共同で取りまとめ、カーボンニュートラルへの貢献度の検討を進める。一方の積水化学工業は、スロバキア共和国からの情報をもとに、特に欧州市場への展開を想定したペロブスカイト太陽電池事業の戦略検討を行う。共同検討は着実に前進しており、ベルテクス・パートナーズは今後も積極的なサポートを続けていく。
■積水化学工業のペロブスカイト太陽電池について
 積水化学工業が開発したペロブスカイト太陽電池は、独自の技術により、屋外耐久性10年相当を確認し、ロール・ツー・ロール製造プロセスを確立している。さらに、発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功し、2025年の事業化を目指す。
■ベルテクス・パートナーズのF&S事業部について
 ベルテクス・パートナーズのF&S事業部は、社会へインパクトを与えるサイズ感、エネルギー対外依存度を下げる上での脱炭素化や関連技術普及、国際社会における日本産業の活躍の場を広めるための対外戦略実行支援に軸を置いている。現状、年間20兆円が2030年までには60兆円以上へと拡大が見込まれる太陽光パネル世界市場において、日本発のペロブスカイト太陽電池の世界市場への参入を促進するために新たな施策や戦略の開発に取り組み、世界市場展開のために引き続き支援していく。
ベルテクス・パートナーズ F&S事業部 ディレクター 会田健三 コメント
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