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2025/9/11
【ペロブスカイト太陽電池】IJ印刷生産技術のリコー、大和ハウス工業、NTTアノードエナジーのコンソーシアム、NEDO GI基金事業に採択
リコー、大和ハウス工業、NTTアノードエナジーがコンソーシアムで取り組むペロブスカイト太陽電池(PSC:Perovskite Solar Cell)の社会実装に向けた技術開発・実証事業が、このたびNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション(GI)基金事業に採択された。同技術開発・実証事業では、技術連携により、インクジェット(IJ)印刷PSC生産技術開発とその施工設計技術および電装設計技術の開発を行う。太陽電池、施工、電装の技術開発をワンストップで行うことにより、早期の社会実装を目指す。従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった耐荷重性の低い建物や壁面などに対し、設置が容易なPSCを供給することで、再生可能エネルギーの導入率向上に貢献する高効果なソリューションを展開する。


リコーは、複合機の開発で培った有機感光体技術と、IJヘッド技術、インク・サプライ技術、プリンティングシステム技術、ロールtoロール搬送技術を掛け合わせることにより、PSCの高変換効率化・高耐久化に加え、高生産性・低コスト化の実現を目指している。IJ印刷は、高精度パターニングにより任意の場所に全機能層を積層可能なため、意匠性の付与やサイズのカスタマイズも可能であり、太陽電池のさらなる普及拡大を後押しするものと考えられている。
大和ハウス工業は、戸建住宅をコア事業に、賃貸住宅、分譲マンション、商業施設、事業施設、環境エネルギーなど幅広い領域で、ZEB・ZEH化や太陽光発電システムの設置など再生可能エネルギーの普及拡大を進めている。今回の実証事業では、同社は多様な施設での環境配慮型設備の導入技術を活かして、大型物流倉庫の屋根やデータセンターの外壁などへのPSCの施工技術を開発する。PSC太陽電池の多様な建築物への最適実装提案を実現していく。
NTTアノードエナジーは、60年以上前から太陽光発電システムの導入に携わり、長年にわたり電装設計に関する豊富なエンジニアリング技術を蓄積してきた。さらに、2023年からはPSCの発電特性の計測も開始している。これらの知見を活かし、PSCを曲面屋根や壁面に導入する際に生じる不均等な日射による発電量の低下について、モジュール配列やストリング設計の工夫、さらに独自開発したパワーコンディショナの導入による解決を目指す。
今回の採択を受け、3社は、屋根、外壁、防水材などの部材メーカーと連携を図りながら、研究開発段階から将来の社会実装を見据えた計画を推進する。この実証事業は2029年度までの5年間を予定しており、PSCのBIPV/BAPV*に向けた技術を確立し、2030年度に年間製造能力300MW以上と発電コスト14円/kWhの達成を目指す。
*BIPV:Building Integrated Photovoltaics 建材一体型太陽光発電
*BAPV :Building Attached Photovoltaics 建物据付型太陽光発電
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