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2024/2/13

【ペロブスカイト太陽電池】積水化学工業、スロバキア共和国との共同検討実施に関する覚書締結

 積水化学工業は、スロバキア共和国におけるカーボンニュートラル推進に対し、同社のフィルム型ペロブスカイト太陽電池がどのように貢献できるか、また太陽電池に関する法規制の状況を含む社会実装への課題検討を、スロバキア共和国内の大学や研究機関と2024年~2026年に実施する旨の覚書を、スロバキア共和国経済省と締結した。

スロバキア共和国デニサ・サコヴァー副首相兼経済大臣と加藤社長による調印式

共同検討の背景と経緯
 積水化学工業では、独自技術である封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを確立している。さらに、同製造プロセスによる発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
 現在、各種用途への設置を通して技術実証と設置・施工方法の確立を進めており、2025年の事業化を目指している。
 並行して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進めている。
 スロバキア共和国政府は、カーボンニュートラルを推進するにあたり、さまざまな検討や取り組みを行っており、その取り組みの1つとしてペロブスカイト太陽電池の適用が検討されている。これまで、同社ペロブスカイト太陽電池の開発状況確認のため、2023年4月に視察団を同社の開発拠点へ派遣している。

共同検討の覚書(MOU)の締結の目的
 スロバキア共和国は、ペロブスカイト太陽電池に関する社会実装の課題を、同国内の大学や政府機関の支援を受けつつ共同で取りまとめ、カーボンニュートラルに対する貢献度の検討などを行う。積水化学工業は、スロバキア共和国から提供された情報を基に、日本国外、特に欧州市場へのペロブスカイト太陽電池の展開を想定した場合の、事業確立に必要な戦略検討を行う。

 2024年2月9日、積水化学工業東京本社にて調印式を執り行った。スロバキア共和国からはデニサ・サコヴァー副首相兼経済大臣を含む2名の閣僚が出席、積水化学工業からは加藤敬太社長をはじめ、開発分野の幹部が出席した。

ペロブスカイト太陽電池を持っての記念撮影
(中央からデニサ・サコヴァー副首相兼経済大臣、トマーシュ・タラバ副首相兼環境大臣、左 加藤社長)
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