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2024/10/8

【ペロブスカイト太陽電池】I.S.T、桐蔭横浜大学宮坂研究室との共同研究「機能性透明ポリイミドフィルム TORMEDを基材とした作製」における成果を「第85回 応用物理学会 秋季学術講演会」で発表

 ポリイミド樹脂をはじめとする高機能素材の開発・製造・販売を手がけるアイ. エス. テイは、ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力氏との共同研究で、同社開発した透明フィルムである「TORMED(R)(トーメッド)」をペロブスカイト太陽電池のフィルムを基材として使用することで、発電効率と耐久性にすぐれたペロブスカイト太陽電池の開発を目指している。その内容を、2024年9月18日に、「第85回 応用物理学会 秋季学術講演会」において、桐蔭横浜大学と共同でポスターセッションにて発表した。

 経済産業省が2024年8月30日に示した2025年度予算案の概算要求では、次世代の太陽電池と言われるペロブスカイト太陽電池や全固体電池の設備投資支援などが盛り込まれた。
 ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性があることから太陽電池の設置場所を広げることが可能になり、カーボンニュートラルのカギになる技術として期待されている。
 しかし、フィルムの素材として最も検討されているポリエチレンテレフタレート(PET)は、安価で材料が入手しやすい一方、ペロブスカイト太陽電池の製造過程で高熱処理ができない、設置後の過酷な高温環境下ではフィルムが劣化するデメリットがある。
 そこでPETに代わるフィルム材料として、アイ. エス. テイが開発製造した機能性透明ポリイミドであるTORMED(R)(トーメッド)を基材としてペロブスカイト太陽電池の作製について有効であるかの研究を桐蔭横浜大学と共同で行っている。
 TORMED(R)は、高耐久性と高耐熱性を備えたポリイミド樹脂から成る透明フィルムであり、特に耐熱性能においてPETを上回る特性を有する。この優れた耐熱性により、ペロブスカイト太陽電池の製造プロセスにおいて、電子輸送層(ペロブスカイト層で生成された電子を電極に効率よく移動させる役割を担う層)の材料を高温で処理することが可能となり、結果として電池の変換効率が向上した。TORMED(R)の耐熱性を活かして、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の性能向上に貢献することを実証できた。

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