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2024/7/12

【ペロブスカイト太陽電池】YKK AP、BIPVの実証実験および「2050ゼロカーボンちよだ」実現に向け千代田区、Akiba.TVとの連携協定締結

 YKK APは、東京都千代田区およびAkiba.TVと、「2050ゼロカーボンちよだ(※1)」実現に向けた連携協定を2024年7月9日に締結した。同協定に基づき、7月25日より区有地の一部である秋葉原駅前広場に実証実験用のトレーラーハウスを設置し、ペロブスカイト太陽電池(次世代型ソーラーセル)を用いた「建材一体型の太陽光発電(BIPV:Building Integrated Photovoltaics)」の実証実験を行う。
 同協定は、都市部における再生可能エネルギーの拡大に向けた取り組みとして、3者で連携して区民および区内事業者の地球温暖化に配慮した行動の促進や、脱炭素化に向けたエネルギー転換施策等を推進するとともに、地域課題解決と更なる魅力創出等、地域の一層の発展を図り、持続可能なまちづくりの実現につなげていくことを目的に締結された。

左からYKK AP代表取締役社長:魚津 彰、千代田区長:樋󠄀口 高顕、Akiba.TV代表取締役:吉岡 有一郎

 YKK APは、カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー事業への取組みとして、関電工と業務提携し、ビルの窓や壁面を活用するBIPVの開発を進めている。この度、ペロブスカイト太陽電池等を用いた建物に実装可能なBIPVの実証実験を進めることにより、YKK APがこれまで進めてきた「窓で断熱」の省エネ政策に「窓で発電」の創エネ政策を加えて社会実装を目指すと共に、区有施設への導入を含めた千代田区の環境政策と持続可能なまちづくりに貢献していく。

実証実験の内容

 「2050ゼロカーボンちよだ」の実現に向け、「発電する内窓(※2)」としてペロブスカイト太陽電池を用いたBIPVの実証実験を千代田区にて実施する。この取り組みは、汎用性が高く、既存のビルに活用できるため、様々な分野にわたる脱炭素化への貢献が期待される。加えて、この実証実験を通じて得られる知見をもって区有施設への導入の可能性を検討していく。
 実施期間 :2024年7月25日~10月20日(予定)
 場所 :秋葉原駅前広場(東京都千代田区外神田一丁目18番)

連携協定の内容

 「建材一体型太陽光発電による再生可能エネルギー性能の実証実験に係る連携に関する協定」
 協定締結日:2024年7月9日
 連携事項:
 ・本実証実験のデータ収集、分析および評価を通じたBIPVの発電性能および信頼性並びに今後の展開に向けた課題の検証に関すること。
 ・区内で実施される環境活動の情報発信に関すること。
 ・安全・安心パトロール並びに路上禁煙地区における指導、警告および取締りの情報発信に関すること。
 ・ハウスを活用した国内外観光客を対象とした観光情報の発信に関すること。
 ・区内における電力レジリエンスの強化に関すること。
 ・本実証実験の内容が実用化した際の区有施設への導入検討に関すること。
 役割分担:
  ・千代田区
    本実証実験の実施場所の提供
    本実証実験の総合調整および情報発信
  ・YKK AP
    ハウスの設置、移動および撤収
    ハウスを活用した太陽光発電に係るデータの収集および分析
    BIPVによる再生可能エネルギー性能の検証
    本実証実験の結果に関する千代田区への報告
    本実証実験の実施に際してのハウスの維持管理
  ・Akiba.TV
    ハウスを活用した観光、環境に関する情報発信
    インフォメーションセンターとしてのハウスの運営
    関係団体との調整
※1 千代田区は、2021年11月に、区民や区内事業者と地球温暖化への危機感を共有し、対策の推進を図るため、「千代田区気候非常事態宣言」を表明し、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「2050ゼロカーボンちよだ」を掲げ、区全体で二酸化炭素排出量の削減および脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいる。今回の実証実験を通して、「2050ゼロカーボンちよだ」へ向けた取り組みを加速させる。
※2 「内窓タイプ」のBIPVは、既存ビルへの設置工事やメンテナンス性に優れており、発電機能に加え、内窓の特性である「断熱・防音」の効果を併せて得ることができる。

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