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2026/2/25
【ポリアミド4のバイオ原料化技術】東レ、化粧品向け微粒子市場へ展開
東レは、マイクロプラスチック課題の対策に寄与する海洋生分解性※1に優れたポリアミド4の販売を進めている。このたび、同製品に使用する原料である2-ピロリドンをバイオ由来原料から製造する独自の合成技術を創出した。この技術を活用し、バイオ由来原料から作られるポリアミド4のスケールアップ検証を進め、2028年度を目途に主に化粧品向け微粒子としての市場展開を目指している。
近年、化粧品や洗顔料等に含まれるマイクロプラスチック※2の海洋流出によって引き起こされる様々な環境問題が世界共通の課題として認識されており、各国で排出規制が始まっている※3。東レはこの社会課題に対処するべく、生分解性および海洋生分解性を有するポリアミド4を開発し、主に化粧品(ファンデーションやアイシャドウ等)に使用される微粒子として市場展開を進めてきた。
従来、ポリアミド4の原料である2-ピロリドンは、石油由来の原料から製造されてきました。これに対し東レは、糖などの主要バイオマスを起点とした2-ピロリドン合成法の研究開発に取り組み、バイオ由来原料から2-ピロリドンを合成することに成功しました。本技術で製造される2-ピロリドンを重合・加工したポリアミド4微粒子は、従来品と変わらない粒径、形状を実現でき、最終製品への影響を与えることなくバイオ原料化することが可能。加えて本技術は、従来の石油化学プロセスと比較して温和な条件で反応が進行するため、原料からポリアミド4微粒子を製造するまでのプロセス全体として二酸化炭素(CO2)排出量を低減する効果が見込まれる。
また、この技術で製造される2-ピロリドンは、ポリアミド4以外にも半導体向け材料やエンジニアリングプラスチック※4の製造に広く用いられるN-メチルピロリドン※5、医薬品等に用いられる高機能ポリマーのモノマーであるN-ビニルピロリドン※6の原料としても広く利用されている。同技術の創出は、こうした多用途への応用展開の可能性も有しており、次世代産業を支える幅広い素材のバイオ化に貢献できる。
東レは、サステナビリティへの取組みの一環として、循環型社会への移行や自然資本の保全に向けた取組みを推進している。今後も、持続可能な循環型社会を実現するために研究・技術開発を推進し、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいく。
なお、今回の成果の一部は、環境省「脱炭素型循環経済システム構築促進事業(令和5年度、令和6年度)」により得られた。

<用語説明>
※1 生分解
バクテリアや菌類などの微生物によって、有機化合物が水や二酸化炭素といった無機物まで分解されること。一般的に、微生物が少ない海洋中での生分解のほうが、土壌中での生分解より難しいとされる。
※2 マイクロプラスチック
5 mm以下の微細なプラスチック粒子の総称。洗顔料等に含まれる微粒子(一次マイクロプラスチック)やペットボトルやレジ袋などが紫外線や波で劣化・破砕されたもの(二次マイクロプラスチック)があり、食物連鎖を通じて生態系や人体への悪影響が懸念されている。
※3 各国でのマイクロプラスチック規制強化
欧州では、2023年にREACH規則が改正され、6~12年の猶予期間後にマイクロプラスチックが意図的に添加された化粧品等の使用が禁止される。ただし、特定の生分解性試験規格を満たすプラスチックは規制の対象外とされ、東レの開発したポリアミド4微粒子は、この規格(OECD301F)を満たし、規制対象にはあたらない。
※4 エンジニアリングプラスチック
機械的強度や耐熱性に優れるプラスチックの総称。軽量かつ高性能な特徴を活かし、自動車用部品など金属の代替材料として使用されることが多い。
※5 N-メチルピロリドン
2-ピロリドンの窒素原子上の水素原子がメチル基に置き換わった液状の化合物。沸点が高く、化学的な安定性に優れるほか、様々な化合物に対する溶解性が高いため、洗浄剤や剥離剤、溶媒として広く利用される。
※6 N-ビニルピロリドン
2-ピロリドンの窒素原子上の水素原子がビニル基に置き換わった液状の化合物。ビニル基を起点に重合することによりポリビニルピロリドンとなり、化粧品の増粘剤や錠剤医薬品のバインダー(接着剤)、酒類の清澄剤などに使用される。
<ご参考>
・2024年4月10日プレスリリース
「海洋生分解する真球状ポリアミド4微粒子を開発」
https://www.toray.co.jp/news/article.html?contentId=wroobdj9
・2024年8月27日 東レ公式note
https://note.toray/n/nd9ea85644af4
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