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2024/6/5

【マテリアルリサイクル】東洋インキとジェイフィルム、UVインキの脱墨技術を化粧品クリアパッケージへ拡大。2030年までに市場からの回収を含めた全量リサイクル化を目指す

化粧品クリアパッケージのイメージ

 東洋インキジェイフィルムとの協業で、化粧品等に使用されている包装用クリアパッケージの脱墨に取り組むことを決定した。東洋インキが開発したUVインキとコーティング剤による脱墨技術と包装用クリアシート生産大手のジェイフィルムの知見を活用し、現在は量産化に向けた実証実験を進めている。まずは2026年までに印刷工場や成型加工工場内で発生する端材のリサイクルシステムを事業化、さらに2030年までに市場からの回収を含めた全量をリサイクル可能とするシステムを確立することを目指す。
 プラスチックに施された印刷は、品名および成分や注意事項などの表示のほか、意匠性を高めるなど重要な役割を担っているが、化粧品クリアパッケージの多くに使用されている硬質プラスチックはUVインキの塗膜が固いため特に脱墨が困難であり、リサイクル促進を阻害する要因の1つとなっている。印刷工場や成型加工工場内で発生する端材は、年間数千トンと言われる包装用クリアパッケージで使用されるプラスチックの3割近くにのぼるが、その多くはインキが付着しているため、原料であるクリアシートへの水平リサイクル率は1割に満たないのが現状。
 東洋インキが開発したUVインキ用脱墨コーティング剤を用いることで、硬質プラスチックに印刷されたUVインキを脱墨し、透明に近いプラスチックに再生することが可能になる。これにより、リサイクル後のプラスチックが、クリアシートへの水平リサイクルを含めたより幅広い用途に再利用されることが期待される。

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