アーカイブ情報
2024/3/15
【メタン削減】BASFジャパン、Jクレジットのプロジェクト運営事業者と提携し、xarvio FIELD MANAGERを活用した水稲生産者のJクレジット申請をサポート
BASFジャパンは、2024年の水稲の栽培シーズンより、栽培管理支援システム「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ® フィールドマネージャー)*1」を活用した農業者のJクレジット申請をサポートする。
BASFジャパンは今月、フェイガー、Green Carbonとの協業を皮切りに、Jクレジットプロジェクト運営事業者との提携を開始する。BASFジャパンと2社は水稲栽培における中干し*2期間延長により生じるクレジット創出を後押しすることで、農業の現場における炭素管理と環境負荷の低減に向けた取り組みを推進する。この新たな取り組みにおいて、xarvio® FIELD MANAGER は、ユーザーに最適な中干し開始時期を通知する。農業者は直近の過去2年間における中干し実施日数の平均より7日間以上中干し期間を延長し、その記録を政府から認証を受けたプロジェクト運営事業者を通じて申請することで、Jクレジットの認証を受けることができる。
BASFジャパンはプロジェクト運営事業者との提携により、水稲生産者へJクレジット申請手順の案内が可能になる。まず初めに、農業者はプロジェクト運営事業者のwebサイト上で、営農計画書や生産管理記録などを参考に、ほ場の情報を登録する。栽培期間中はxarvio® FIELD MANAGERが提供するほ場の状況に関する情報や生育予測、病害発生予測などを活用し、最適な施肥や防除、中干しを含む水管理、収穫を行うことで、中干し期間延長により発生しうるリスクを軽減するとともに、収量と品質の向上を目指す。栽培記録は簡単にxarvio® FIELD MANAGERで記録でき、栽培終了後に記録をCSVファイルにエクスポートするだけで、申請に必要なデータを用意することができる*3。BASFジャパンは農業者に幅広いオプションを提供するため、今後さらにプロジェクト運営事業者とのパートナーシップを拡大する方針。
BASFアグロソリューション事業部アジアパシフィックのシニアバイスプレジデントであるシモーネ・バーグ氏は次のように述べている。
「BASFは独自に設定した持続可能性の目標に取り組んでいます。米などの戦略的な作物*4において、2030年までに生産量1 トン当たりのCO2換算の排出量を30%削減するという大きな目標を掲げており、日本での取り組みはその重要な一歩です。これを達成するために、私たちは農業者、政策立案者、業界関係者と協力して、自然とのバランスを取りながら作物を栽培するよりスマートな方法を見つけていきます」
BASFジャパンのアグロソリューション事業部事業部長である野田信介氏は次のように述べている。
「私たちは農林水産省が『みどりの食料システム戦略』で掲げる、農業における化石燃料の燃焼によるCO2排出量ゼロの目標に沿って、持続可能な農業に取り組んでいます。カーボンファーミングのテーマはまだ新しく、政府や業界関係者による対応が必要な多くの技術的課題がありますが、BASFはxarvio®の精密スマート農業技術を活用し、産業界と連携して初期の先駆的な取り組みを進めています。これは、日本の農業環境を前向きに変化させるための正しい一歩であると信じており、世界中で最も大切な仕事をしている農業者の利益のために、その成果を形作ることを楽しみにしています」
温室効果ガスのメタンはCO2の25倍の温室効果があり、水田からの排出量が日本全体の排出量の約4割を占めている。農業者は、土壌に炭素を隔離することができるので、作物栽培における温室効果ガスの排出量を大幅に削減する上で重要な役割を果たしている。水稲栽培において行われる中干し期間を7日間延長することでメタンの発生量を3割削減できることが確認されており*5、みどりの食料システムにおいて持続的な農業生産の技術体系の一部にも位置付けられている。
*1 xarvio® FIELD MANAGERは、BASFジャパンとBASFデジタルファーミング社(本社:ドイツ)、全国農業協同組合連合会(本所:東京都千代田区)が国内において共同で開発・推進する栽培管理支援システムで、2021年4月よりサービスを開始している。
*2 田植え後に一定期間水田の水を抜き土壌を乾かすこと。有害ガスの発生抑制や根の健全な育成、過剰な分げつの抑制など多くの効果があり、収量・品質の向上につながる。
*3 追加のデータが必要になる場合もある。
*4 対象作物:小麦、大豆、米、キャノーラ、トウモロコシ
*5 https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/b_kankyo/230628.html
■xarvio®デジタルファーミングについて(BASF デジタルファーミング社のブランド)
xarvio®(ザルビオ®)は作物生産の最適化を図る、最先端のデジタルソリューション。「xarvio® FIELD MANAGER」と「xarvio® HEALTHY FIELDS」は高度な作物モデルプラットフォームに基づき、各ほ場の状況に応じたリアルタイムの推奨を提供する。xarvio®はユーザーが享受するメリットが実証されているテクノロジー。農業者がより効率的かつ持続可能な方法で作物を生産し、収益性を向上させることを支援する。xarvio® FIELD MANAGER は世界7カ国で10万人以上の農業者とコンサルタント(総面積1,900万ヘクタール以上)が使用している。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース