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2024/1/25
【リサイクル可能な導電性シート】マルアイ、東洋インキと共同開発。「nano tech 2024」で展示
マルアイは、プラスチック基材から導電インキを容易に脱離させ新たな原料として再利用できる「リサイクル可能な導電性シート」を東洋インキと共同開発した。印刷した導電層を脱離できる導電シートの開発は業界初(※1)。
今回開発した「リサイクル可能な導電性シート」は、2024年1月31日~2月2日まで東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」のマルアイブース(ブース番号:5T-13)にて展示する。
「リサイクル可能な導電性シート」は、プラスチック基材から導電インキ(導電層)を容易に脱離させ、プラスチック基材を新たな原料として再利用ができる導電性シート。導電性シートの基材であるプラスチックと導電インキの間にアルカリ処理で溶解できる脱離層を設けている。導電性シートをアルカリ溶液中で熱処理などを行うと脱離層が溶解し、導電インキがプラスチック基材から脱離。これにより従来はプラスチック廃棄物として処理されていた使用後のプラスチック基材をプラスチック原料として再利用できるようになる。また、導電インキはアルカリ溶液に溶解せず膜の状態で脱離できるため、膜を回収することでアルカリ溶液も繰り返し使用することができる(※2)。
リサイクル可能な導電性シートの構成
リサイクル可能な導電性シートを成型加工したトレイの脱離プロセス
開発品は、マルアイが保有する導電インキと高度な印刷技術に東洋インキの保有する脱離技術を組み合わせることで、既製品の導電シート「SCS(Super Clean Sheet)」(スーパークリーンシート)が有する表面抵抗値や真空成型性等を損なわずに導電インキを脱離させるための脱離層を設けることに成功した(2023年11月に特許取得、特許番号:7391442)。
本開発品を活用した資源循環のプロセスは、本開発品の提供・使用済みプラスチックの回収、破砕・導電インキの脱離。今回はそのリサイクル構想の第1フェーズとして「リサイクル可能な導電性シート」を開発した。今後は、プラスチックの資源循環に向け、廃プラスチックの回収から再生までのスキームを具体化させていく。
リサイクル構想案例
※1 日本国内の導電シート業界において。2024年1月現在、マルアイ調べ。
※2 アルカリ溶液を繰り返し使用するには、脱離層の溶解を踏まえたアルカリ濃度幅の一定管理が必要になる。
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