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2025/8/4
【LiB向け機能性導電助剤】OUVC、3DCへ新規投資を実行
大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)を無限責任組合員とするOUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド)は、3DCに対し、7月11日付で300百万円の投資を実行した。

リチウムイオン電池の高性能化を実現する革新的炭素材料を開発
3DCは東北大学材料科学高等研究所の西原洋知教授の発明した新規炭素材料であるGraphene MesoSponge(GMS)の商用化を目指し2022年に設立されたベンチャー企業。GMSはリチウムイオン電池向けの導電助剤として多くの機能を発現し、「機能性導電助剤」としてリチウムイオン電池の性能を向上させることが期待されている。
スマートフォンや自動車に搭載され世界中で需要が高まっているリチウムイオン電池だが、高出力化によるユーザーの利便性の向上と長寿命化によるサステナビリティの向上の両立が望まれる一方、カーボンナノチューブに代表される既存の導電助剤では高出力化と長寿命化はトレードオフの関係にあり、両立が難しいという大きな課題がある。導電助剤は重量としてはリチウムイオン電池の僅か1%未満だが電池性能に大きな影響を及ぼす重要材料であり、その中でもGMSは特異な3次元構造によって優れたイオン伝導性や電子伝導性、化学的・物理的耐久性を発揮し、高出力化と長寿命化の両立を実現する革新的な材料。また3DCでは製造プロセスの改良により製造コストを下げることにも成功しており、商用化に向けた量産体制の構築も着実に進んでいる。
GMSはグローバルでも電池産業に大きく貢献するポテンシャルをもった革新的な材料であり、今後は大阪大学とも協力し、更なる機能向上とリチウムイオン電池以外の様々な次世代電池を含めた幅広い分野への応用拡大が期待される。
今回の投資資金によりGMSの商用化に向けた量産設備を導入
3DCでは今回のシリーズAで調達した資金を活用し、GMSの商用化に向けた量産設備を新たに導入すると共に、GMSの更なる性能向上に向けた研究開発や品質管理体制の強化、人員の増強を行う予定。
OUVCは、同社が目指す電池のインフラ化というビジョンの実現に向けて、資金面にとどまらず多角的な支援を通じて、今後の成長を力強く後押ししていく考えだ。
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