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2025/8/4
【ロボットシステム】NEDO、活用領域の拡大に向けソフトウエア開発基盤構築の研究開発に着手
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、多彩なロボットシステムの創出を通じて多様な産業における生産性向上を実現するため、ロボット分野のソフトウエア開発基盤構築に関する研究開発事業を開始する。このたび、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤構築」で、新たに3件の研究開発テーマを採択した。同事業では、人手不足などの課題を解決する手段として社会からの期待が高まっているロボティクス技術について、ソフトウエアの品質や性能が可視化されたオープンなソフトウエア開発基盤を構築し、さまざまな開発主体が参入しやすい環境の実現を目指す。
また、同事業と連携して進める「デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業」(以下、デジタル・ロボット事業)でも、新たに4件の研究開発テーマを採択した。デジタル・ロボット事業では、ロボットのシステム・インテグレーション(SI)を効率化する汎用的なSIモジュールを開発し、ロボットシステム構築の優れたモデル事例を創出する。
NEDOはこれら2つの事業を一体的に進め、多様な産業分野へのロボットシステムの普及を加速させつつ産業全体の効率化と技術革新の推進を目指す。
概要
ロボットは人手不足で悩む多くの産業でその活用が期待されている。しかし、これまで人手に頼ってきた現場にロボットを導入しようとすると、多品種少量生産でロボットが扱うモノが多種多様であったり、ロボット周辺の環境の変化が大きかったりなど、ロボット化の難易度が高いケースが多いのが実情。また、ロボットの運用開始後にこれらの条件が変化することも多く、ロボットシステムの開発や運用のコストがかさみがちなことから、その導入が見送られることも多くあった。
また、従来型のロボットシステムにおいては、システムの信頼性は高いものの、ソフトウエアのプログラミング言語が各々のハードウエアごとに異なるなど、新規の開発者が参入しづらい状況にあった。
こうした中で、ロボットの導入を拡大し、新市場を加速的に創出していく上では、ソフトウエア起点で多彩なロボットシステムを創出することが重要。そのためにも、ロボットシステムの開発の容易性や汎用性、拡張性を実現する開発環境が必要となる。
この課題を解決するために、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤構築」事業では、ロボットシステムを構成する各機能をモジュール化し、その品質や性能を可視化するソフトウエアの検証技術や各種ツールを開発・整備することで、オープンなソフトウエア開発基盤を構築する。これにより、さまざまな開発者の参入を促し、ロボットシステムを開発・導入・運用のしやすい環境を整備することで、ロボット活用の裾野が拡大することを目指す。
NEDOはこのたび、ソフトウエア開発基盤の構築に向けて研究開発テーマ3件を採択した。また、同事業と連携して進めるデジタル・ロボット事業で研究開発テーマ4件を採択した。NEDOはこれらの事業を通じて、さまざまな産業分野においてロボットシステムの普及を進展させ、日本が抱える社会課題の解決に貢献する。
採択テーマ
このたび、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤構築」事業で採択した3件の研究開発テーマでは、製造業や建設業、警備など多様な現場に向けたロボットのSIの効率化と、品質・信頼性・安全性の強化を目指すソフトウエア開発基盤の研究開発を実施する。これら3件の研究開発テーマは相互に連携するとともに、デジタル・ロボット事業で採択された4件の研究開発テーマとも連携することで、オープンで広く活用される開発環境の構築を目指す。
事業名:ポスト5G情報通信システ厶基盤強化研究開発事業/ロボティクス分野におけるソフトウェア開発基盤構築
予算:103億円(3年間合計)
期間:2025年度~2027年度(予定)
採択テーマおよび実施予定先は次の通り。

事業名:デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業
予算:2.3億円(2025年度)
期間:2025年度~2029年度(予定)
採択テーマおよび実施予定先は次の通り。

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