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2025/9/9

【一液型エポキシ樹脂】SpeedPox、9月17日~18日に開催される「Global Startup EXPO 2025」に出展。次世代エレクトロニクス製造の推進に向け、日本での共同開発パートナーを募集

 特許取得済みの一液型エポキシ樹脂を開発する、オーストリアの先進材料スタートアップ SpeedPox(スピードポックス)は、大阪で開催されるGlobal Startup EXPO 2025(GSE 2025)への出展企業に選出された。これは日本貿易振興機構(JETRO)からの招待によるもので、海外スタートアップの中から選ばれた20社のうちの1社となる。SpeedPoxは自社の先進的な硬化技術を紹介するとともに、エレクトロニクス業界における共同開発および長期的な協業に向けて、信頼できるパートナーを日本で募集している。SpeedPoxが開発した一液型エポキシ樹脂は、UVによる超高速硬化と、熱による低温硬化の両方に対応しており、製造現場での柔軟なプロセス設計と高スループット化を可能にする。
 SpeedPoxは、長年にわたりエレクトロニクスおよび精密製造の分野で世界をリードし続ける日本のエレクトロニクス業界に自社の技術を紹介する機会を得たことを光栄に思うとともに、ハイレベルな業界で長く培われた専門知識と革新性から学ぶことに大きな期待を寄せている。
 SpeedPoxのCEOであるマヌエル・ハートル氏は次のように述べている。
 「大阪で開催されるGlobal Startup EXPOに選出されたことは、当社の技術に対する評価であり、大変光栄なことです。私たちは日本の品質と継続的な改善への取り組みに深い尊敬を抱いています。当社のエポキシソリューションと日本の製造業における専門知識を組み合わせることで、日本のパートナーと共に次世代のグローバルスタンダードの構築に貢献していきたいと考えています」
エポキシ硬化への新たなアプローチ
 SpeedPoxは、UVによる超高速硬化と熱による低温硬化の両方に対応した、一液型の先進エポキシ樹脂を開発した。この柔軟な硬化プロセスにより、製造ラインでの自由度が高まり、最大で10倍のスループット向上、ボトルネックの解消、さらに最大99%のエネルギー消費削減が可能となる。
 また、「オンデマンド硬化」というコンセプトのもと、長期保存可能な処方と幅広いプロセスウィンドウに加え、外部刺激が届かない影の部分においても、樹脂内の反応伝播によって硬化が進行する“シャドウ硬化”を実現しており、後硬化工程を必要としない。
 SpeedPoxは充填エポキシ樹脂の信頼性の高いUV硬化を実現できる数少ない企業の1つであり、先進材料イノベーションをリードしている。

PEEDPOX(R) Linx導電性インクの高精細なテストパターン。PET・PI・再生紙など多様な基材にも対応、UV硬化プロセス、優れた導電性も備える

<製造業における主な利点>
・高速硬化:UVまたは熱活性化により、数秒から数分で硬化
・安定したシンプルなプロセス:一液型で、混合不要、常温での長時間使用が可能
・エネルギー効率:エネルギー消費量を最大99%削減
・廃棄物削減:材料ロスや計量・混合時のミスを最小化
・持続可能な処方:PFAS/solvent/CMRの不使用
・カスタマイズされたソリューション:特定の製造要件や用途に応じた製品の提供
■先端エレクトロニクス向け製品ポートフォリオ
(1)SPEEDPOX(R) Protex - 保護用ポッティング・コーティング材
 製品ラインには、ポッティングおよび封止用の先進の一液型高性能エポキシシステムが揃えられている。優れた電気絶縁性に加え、高い耐熱性と耐薬品性を備え、繊細な部品を確実に保護する。特許取得済みの瞬時硬化技術により、数秒で硬化するため、使用時間の制約がなくなり、生産性を10倍に向上させることが可能。主な用途は、ワイヤボンド、重要な表面、コネクタ、パワーエレクトロニクス、防水電気部品の保護など。
(2)SPEEDPOX(R) Connex - 導電性接着剤(ECA)
 はんだ付けに代わる導電性接着剤(ECA)。溶剤不使用の処方で、UV硬化と低温熱硬化の両方式に対応。5秒以内の超高速硬化により工程を短縮し、熱に弱い部品の実装にも適している。PET、PI、紙など多様な基材に対応し、SMD部品の接着、センサー取付、インモールド・エレクトロニクス(IME)などに活用できる。
SPEEDPOX(R) Linxで印刷された透明基板上のフレキシブル回路を確認するSpeedPoxの研究員
(3)SPEEDPOX(R) Linx - 導電性インク(ECI)
 銀およびカーボンをベースにしたスクリーン印刷に適した導電性インク。UV硬化に対応しており、紙を含む多様な基材に対して高い密着性と安定した導電性能を発揮する。安全で迅速な硬化プロセスにより、基材を熱から保護しつつ高精度な印刷が可能。これにより、従来熱処理が課題だった素材にも適用範囲が広がり、製品設計の自由度が向上する。Linxは、フレキシブル回路、OLEDタッチセンサー、太陽電池の導電ライン、異なる種類のセンサーの相互接続など、次世代のプリンテッドエレクトロニクス用途に適している。
SpeedPox - Global Startup EXPO 2025(GSE 2025)に出展
 SpeedPoxは9月17日~18日に、大阪・関西万博EXPOメッセ「WASSE」で開催されるGlobal Startup EXPO 2025にブース出展する。会場ではライブデモンストレーションを行い、共同開発の機会についての相談に直接応じる。来場が難しい企業には、希望に応じて個別にミーティングを手配することも可能。
 SpeedPoxは2025年に既に来日を果たしている。日本企業の持つ革新性、精密性、長期的なビジョンに大きな可能性を感じており、業界主要企業との交流や協業の創出に積極的に取り組んでいる。
 9月15日~25日にはGlobal Startup EXPO出展のため、12月1日~12日には欧州スタートアップイベント出展のため再来日する。12月4日にはTechBIZKON IX GX Factory Techへの参加も控え、日本での事業展開に期待すると共に、より多くの日本のパートナー企業とつながり、エレクトロニクス製造の未来を共に切り拓くことを目指す。
■SpeedPox GmbHについて
 オーストリア・ウィーンに本社を構えるSpeedPox GmbHは、熱または紫外線の刺激によって急速に硬化する特許取得済みの一液型エポキシ樹脂を開発している。この樹脂は従来のシステムと比較して最大10倍のスループットを実現する。同社は、エレクトロニクスおよび関連業界における、共同開発およびライセンスパートナーの募集に加え、顧客に合わせたソリューションの提供にも意欲的に取り組んでいる。
画像提供 RISE:This work is part of the EMERGE project, grant agreement No 101008701.

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