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2025/8/5

【世界シェア】デクセリアルズ、「異方性導電膜」「スパッタリング技術を使った反射防止フィルム」「光学弾性樹脂」で6年連続No.1

 デクセリアルズは、このたび、富士キメラ総研が2025年7月に発行した市場調査レポート「2025ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」において、同社が製造・販売する異方性導電膜(ACF)、スパッタリング技術※1で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂(SVR)の3製品が世界シェアNo.1※2を獲得したことを明らかにした。これらは2019年から6年連続となる。
 2012年※3に操業を開始したデクセリアルズは、時代や技術の変化を先回りした製品開発によりテクノロジーの進化を支えてきた。電子部品、接合材料や光学材料など機能性材料の開発・製造・販売を手掛け、国内8(子会社拠点含む)、海外11の製造・販売拠点で事業を展開している。
 異方性導電膜(ACF)はデクセリアルズの主力製品であり、ノートPC、スマートフォン、車載ディスプレイなど多くの製品に採用されている。スマートフォンのディスプレイが、液晶からフレキシブルOLEDと移行するなか、独自技術で導電粒子を意図した位置に配列した「粒子整列型異方性導電膜(ACF)」は、高い接続信頼性を実現し、より微細な接続が求められるフレキシブルOLEDディスプレイにおけるデファクトスタンダードとなっている。
 反射防止フィルムは、「スパッタリング技術」を用いてナノレベルで反射防止層の厚みを制御することで、高い反射防止性能を有する。特に、成長領域として定める自動車におけるディスプレイについては、面積の大型化がトレンドとなっており、需要がさらに高まっている。
 光学弾性樹脂(SVR)はディスプレイ内部を貼り合わせる液状接着剤であり、視認性が高く、顧客の作業面でも簡易性を備えた製品。特に近年は、車載ディスプレイでの需要が拡大しており、ドイツのデザイン会社へ出資※4するなど、自動車業界でのさらなる拡販を進めている。
 デクセリアルズは、これからも、変化する社会・環境において、社会課題の解決を支えるデジタル・テクノロジーの進化に不可欠な高付加価値製品、技術・ソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現への貢献と、持続的成長、そして、企業価値向上を目指す。
※1 薄膜形成技術の1つ。真空環境下でターゲット材にアルゴンガスを吹きつけ、弾き出された原子や分子を対象物に付着させて積層する技術で、半導体の製造などでも活用されている。
※2 2024年の金額シェアベース。
※3 2012年にソニーケミカル&インフォメーションデバイスよりデクセリアルズに社名変更し、事業を開始。
※4 ドイツのデザインハウスSemsoTec Groupに出資
<デクセリアルズ製品の市場の占有率と概要。
 異方性導電膜(ACF)、スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂(SVR)各製品の2024年金額ベースの市場占有率は、以下の通り。
1.異方性導電膜(ACF)
 ICチップなどの電子部品を基板に実装し、回路を形成する際に欠かせないフィルム状の接合材料。熱硬化型樹脂の中に導電粒子を分散させており、熱と圧力を加えることで「接着」「導通」「絶縁」の3つの機能を果たし隣接回路間を絶縁しながら対向回路を導通させることが可能。同社の異方性導電膜(ACF)は、ディスプレイのICチップやカメラ・センサーモジュールなどの実装に多く使用されている。

同調査レポート上の市場区分:ACF(大型向けACF、中小型向けACFの合計)
デクセリアルズの世界シェア:74.0%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋

2.スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム
 ディスプレイの最表面に貼ることで光の反射を抑え、きれいで見やすいディスプレイを実現するフィルム。スパッタリング技術によって金属酸化膜の反射防止層を形成することで、高い耐久性と優れた反射防止性能を有す。
 同社では、独自のロールtoロール方式を採用し、ロール状のフィルム製品を効率よく、かつ品質を確保して生産することができる体制を整えている。同社の反射防止フィルムは、ノートPCのほか、自動車の車載ディスプレイに広く採用されている。

同調査レポート上の市場区分:表面処理フィルム(ドライコート)
デクセリアルズの世界シェア:92.8%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋

3.光学弾性樹脂(SVR)
 ディスプレイのトッププレートと、その下にある液晶モジュールなどの間にある空間(エアギャップ)に充填する液状の接着剤。ガラスに近い光学特性を持つことから、トッププレート界面での外光の反射と内部の映像光の拡散を最小限に抑え、ディスプレイの視認性を向上させることが可能。同社の光学弾性樹脂(SVR)は、スマートフォン、タブレットPCや自動車の車載ディスプレイに広く採用されている。

同調査レポート上の市場区分:OCR
デクセリアルズの世界シェア:54.7%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋


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