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2024/7/30

【世界シェア】デクセリアルズ、異方性導電膜、スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂の3製品、5年連続でNo.1獲得

 デクセリアルズは、富士キメラ総研が2024年7月に発行した市場調査レポート「2024ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」において、同社が製造・販売する異方性導電膜(ACF)、スパッタリング技術※1で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂(SVR)※2の3製品が世界シェアNo.1※3を獲得したことを明らかにした。2019年から5年連続となる。
 2012年※4に操業を開始したデクセリアルズは、時代や技術の変化を先回りした製品開発によりテクノロジーの進化を支えてきた。電子部品、接合材料や光学材料など機能性材料の開発・製造・販売を手掛け、国内8(子会社拠点含む)、海外12の製造・販売拠点で事業を展開している。2024年5月には、5カ年の新しい中期経営計画※5において経営戦略を発表している。
 異方性導電膜(ACF)は、デクセリアルズの主力製品であり、ノートパソコン、スマートフォン、車載ディスプレイなど多くの製品に採用されている。特に、スマートフォンのディスプレイは、液晶からフレキシブルOLEDへの移行が加速している。独自技術で導電粒子を意図した位置に配列した「粒子整列型異方性導電膜」は、高い接続信頼性を実現し、より微細な接続が求められるフレキシブルOLEDディスプレイにおけるデファクトスタンダードとなっている。需要の増加に対応するため、2026年には、鹿沼事業所の第2工場の拡張を完了し、生産能力を現在の2.5倍に増強する予定。
 反射防止フィルムについては、車載ディスプレイの面積の大型化が進んでおり、需要がさらに高まっている。2023年3月には、さまざまなユーザーの要望や製品開発に対応していけるよう、車載向け製品の試作や設計が可能な専用ラボ「AS Lab.」を栃木事業所に設立した。さらに、2024年4月には新たな車載向け反射防止フィルム専用ラインを稼働開始し、市場の需要拡大に対応している。
 ディスプレイ内部を貼り合わせる液状接着剤である同社の光学弾性樹脂(SVR)は、視認性が高く、顧客の作業面でも簡易性を備えた製品。2023年にドイツのSemsoTec Groupと共同で、最先端の車載ディスプレイ向け「光学ソリューションセンター」※6を開設した。同センターでは、顧客が自社の設備投資を行うことなく、デクセリアルズの光学弾性樹脂(SVR)を用いて最新の車載ディスプレイの設計、試作、検討を行うことができるようになる。
 デクセリアルズは、これからも、変化する社会・環境において、経営理念である「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」という姿勢を貫きながら、社会課題の解決を支えるデジタル・テクノロジーの進化に不可欠な高付加価値製品、技術・ソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現への貢献と、持続的成長、そして、企業価値向上を目指す。
※1 薄膜形成技術の1つ。真空環境下でターゲット材にアルゴンガスを吹きつけ、弾き出された原子や分子を対象物に付着させて積層する技術で、半導体の製造などでも活用されている。
※2 光学透明接着剤。ディスプレイ内部を貼り合わせる透明な液状接着剤の総称。
※3 2023年の金額シェアベース。
※4 2012年にソニーケミカル&インフォメーションデバイスよりデクセリアルズに社名変更し、事業を開始。
※5 中期経営計画 2028「進化の実現」とパーパスの策定について
※6 SemsoTec Groupと共同でドイツ・カームに車載ディスプレイのための光学ソリューションセンターを設置
■デクセリアルズ製品の市場の占有率と概要
 異方性導電膜(ACF)、スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム、光学弾性樹脂(SVR)各製品の2023年金額ベースの市場占有率は、以下の通りです。

1. 異方性導電膜(ACF)について
同調査レポート上の市場区分:ACF
(大型向けACF、中小型向けACFの合計)
同社の世界シェア:73.9%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋

・異方性導電膜(ACF)とは
 ICチップなどの電子部品を基板に実装し、回路を形成する際に欠かせないフィルム状の接合材料。熱硬化型樹脂の中に導電粒子を分散させており、熱と圧力を加えることで「接着」「導通」「絶縁」の3つの機能を果たし隣接回路間を絶縁しながら対向回路を導通させることが可能。
 デクセリアルズの異方性導電膜(ACF)は、ディスプレイのICチップやカメラ・センサーモジュールなどの実装に多く使用されている。

2. スパッタリング技術で製造された反射防止フィルムについて
同調査レポート上の市場区分:表面処理フィルム(ドライコート)
同社の世界シェア:93.5%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋

・スパッタリング技術で製造された反射防止フィルムとは
 ディスプレイの最表面に貼ることで光の反射を抑え、きれいで見やすいディスプレイを実現するフィルム。スパッタリング技術によって金属酸化膜の反射防止層を形成することで、高い耐久性と優れた反射防止性能を有す。
 同社では、独自のロールtoロール方式を採用し、ロール状のフィルム製品を効率よく、かつ品質を確保して生産することができる体制を整えている。同社の反射防止フィルムは、ノートPCのほか、自動車の車載ディスプレイに広く採用されている。

3. 光学弾性樹脂(SVR)について
同調査レポート上の市場区分:OCR
同社の世界シェア:48.6%

富士キメラ総研の市場調査レポートより抜粋

・光学弾性樹脂(SVR)とは
 ディスプレイのトッププレートと、その下にある液晶モジュールなどの間にある空間(エアギャップ)に充填する液状の接着剤。ガラスに近い光学特性を持つことから、トッププレート界面での外光の反射と内部の映像光の拡散を最小限に抑え、ディスプレイの視認性を向上させることが可能。同社の光学弾性樹脂(SVR)は、スマートフォン、タブレットPCや自動車の車載ディスプレイに広く採用されている。

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