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2025/12/16

【位相差フィルム】日本ゼオン、2027年夏に世界最大級3000mm幅フィルムの量産開始

 日本ゼオンは、氷見二上工場(富山県氷見市)において、大画面液晶テレビ用位相差フィルムラインの増設工事に着手する。新ラインは液晶パネルの大型化ニーズの拡大に応えるため、世界最大級となる3000mm幅フィルムを生産する設備で、2027年夏の量産開始を目指している。今回の増設により、ゼオンのテレビ用位相差フィルムの生産能力は約20%増え、年間2万6400万m2に拡大する。

氷見二上工場

 2025年12月15日に現地で行われた起工式には、富山県および氷見市から来賓を招いたほか、工事関係者、豊嶋、宮城をはじめとするゼオン関係者ら44名が出席し、工事の安全祈願を行った。

2025年12月15日に現地で行われた起工式

 同社のゼオンの光学フィルム(製品名:ZeonorFilm:ゼオノアフィルム)は、ゼオン独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー:COP)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産されている。ゼオノアフィルムは、優れた光学特性と寸法安定性を有しており、大型テレビやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。

 今回、氷見二上工場内に新たな建屋を建設し、年間4500万m2の生産能力を有する設備を導入します。新ラインでは、世界最大級となる3000mm幅フィルムを生産し、近年ニーズが高まる液晶テレビの大型化に対応する。増設ラインの量産開始は2027年夏を予定しており、操業人員の確保も進めていく。

 同社は、中期経営計画STAGE30 第3フェーズ(25-28年度)において、「モビリティ」「医療・ライフサイエンス」「情報通信」「GX」を成長分野に掲げ、同分野にリソースを集中投入することで、事業ポートフォリオの組み換えを促進する考え。なかでもCOP製フィルムを着実に拡大する成長ドライバに位置づけ、優れた材料特性に加え、「樹脂からの一貫生産」「複数生産拠点による高い供給安定性」を強みに事業拡大を図るとしている。

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