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2025/9/9

【低濃度貴金属回収事業】マイクロ波化学、京都大学発スタートアップのディーピーエスから譲受

 マイクロ波化学は、京都大学発スタートアップであるディーピーエスの低濃度貴金属回収事業(以下「当該事業」)を譲り受けることについて、事業譲渡契約を締結し、取引を完了した。
 マイクロ波化学はこれまで、製造業を中心とした幅広い分野に対し、「省エネルギー」「高効率」「コンパクト」を実現する環境対応型プロセスとして、マイクロ波技術ソリューションを提供してきている。また、その中で研究開発からスケールアップのためのエンジニアリング、製造支援までを一気通貫でサポートできる体制の構築も進めてきた。
 今後の成長戦略として、M&Aを通じて隣接領域の事業を取り込み、この事業開発ノウハウおよび技術プラットフォームを横展開することで新たなソリューションを創出していく方針(図1)。今回の事業譲受はその第一歩。

提供価値の拡大イメージ

 低濃度貴金属回収事業の取得・拡大により、クリティカルミネラルの新たな供給源を確立し、サプライチェーンの強靱化を通じて経済安全保障に貢献するとともに、サーキュラーエコノミーの推進や環境負荷の低減にも寄与する。また、マイクロ波化学の顧客基盤へのクロスセルや海外市場への展開を進め、持続的な企業価値の向上につなげていく。
 ディーピーエスは2017年に設立されたベンチャー企業で、独自素材「DualPoreTM」を活用した革新的な分離・回収技術を強みとしている。DualPoreTMは、名古屋大学・中西和樹教授(発明当時:京都大学准教授)によって開発された、特殊なシリカモノリスを原料とする無機粒子。高い表面積と、液体やガスが効率よく流れる性質をあわせ持ち、先進的な素材として幅広い応用が期待されている。
 この技術を用いて、化学触媒製造や電子部品製造の工程で発生する廃液から、数ppmレベルのパラジウムなどの低濃度貴金属を効率的に回収することに成功している。排水ラインにカートリッジを設置し、回収した貴金属を精錬業者へ販売、収益を顧客企業とシェアするビジネスモデルを展開(図2)。すでに複数のユーザーに導入されている。

当該事業のビジネスモデル

 マイクロ波化学は今回の事業譲受を通じ、ディーピーエスが培ってきた技術と同社の事業開発・研究・エンジニアリング力を掛け合わせ、顧客基盤への新たなソリューション提供と海外展開を一層加速させる。これにより、顧客企業の多様な課題に応えるとともに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化していく。
 今後もM&Aを含めた多様な手段を活用し、環境・エネルギー分野における革新的な技術とビジネスを創出し続けていく。

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