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2024/6/4
【低炭素製鉄】リオティント、西オーストラリアにBioIron研究開発施設を建設
リオティントは、世界の鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化を支援する、低炭素製鉄プロセスBioIronの有効性をさらに評価する研究開発施設を西オーストラリア州に建設するため、1億4300万米ドル(2億1500万豪ドル)を投資する。
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BioIron研究開発施設は、ドイツの小規模パイロットプラントでの革新的な製鉄プロセスの試験成功を受けて、パースの南に位置するロッキンガム戦略的工業エリアに建設される。
BioIronは、石炭の代わりに未加工のバイオマスとマイクロ波エネルギーを使って、ピルバラの鉄鉱石を還元鉄に変える製鉄プロセス。BioIronは、再生可能エネルギーの利用と、成長の早いバイオマスによる炭素循環を組み合わせることで、現在の高炉法に比べて炭素排出量を最大95%削減できる可能性がある。
BioIron施設には、ドイツにある前身施設の10倍の大きさのパイロットプラントが含まれる。この革新的な製鉄プロセスが準工業規模でテストされるのはこれが初めてで、1時間当たり1トンの直接還元鉄を生産することができる。これにより、より大規模な実証プラントへの技術のさらなる拡張を検討するために必要なデータを得ることができる。
このプラントは、ノッティンガム大学、メッツォ社、西オーストラリアのエンジニアリング会社セッジマン・オニキスと共同で設計された。装置の製作は今年開始され、2026年に試運転が予定されている。これらの工事には、最大60の建設業務による雇用が創出されることが見込まれる。
研究開発施設は、約30人のフルタイム従業員を雇用し、BioIron技術のさらなるスケールアップを目指す設備試験用のスペースを含む。同時に、鉄鋼の脱炭素化に高度に熟練した人材を育成し、西オーストラリア州の大学や研究機関を支援する。
リオティント鉄鉱石部門のチーフ・エグゼクティブ、サイモン・トロットは、次のように述べている。
「世界はネット・ゼロを達成するために低炭素鉄鋼を必要としており、私たちはピルバラの鉱石を鉄鋼に変えるより良い方法を見つけることで、これを実現しようと努力しています。BioIronは世界初の技術であり、低炭素鉄鋼の未来において重要な役割を果たす可能性を秘めています。この研究開発施設は、BioIronプロセスをさらに検証し、また西オーストラリア州のイノベーション能力を示すものであり、鉄鋼業の脱炭素化を支援し実現するというリオティントのコミットメントをさらに明確にするものです」
西オーストラリア州首相 ロジャー・クックは、次のように述べている。
「世界有数の鉄鉱石生産地である西オーストラリア州が、低炭素製鉄で世界をリードすることは、理にかなっています。西オーストラリア州を再生可能エネルギー化する我々の計画は、鉄鉱石を産出するこの地での低炭素製鉄など、将来大きな経済的機会を創出するものです。西オーストラリア州で鉄鉱石を更に加工することは、雇用を創出し、世界の二酸化炭素排出量を削減し、今後数十年にわたり州経済の多様化と強化に貢献します。またこれは、クウィナナとロッキンガムという産業中心地で雇用を創出するクリーン・エネルギー・プロジェクトの一例であり、産業地帯をクリーン・エネルギーの未来に移行させるという我々のコミットメントの一部でもあります」
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