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2024/1/9

【住宅用樹脂窓】YKK APアメリカ社、新「メーコン工場」の操業開始

 YKK APの現地法人であるYKK APアメリカ社(本社:米国ジョージア州、社長:Oliver Stepe)は、ジョージア州メーコン・ビブ郡に建設を進めていた住宅用樹脂窓を製造する新工場「メーコン工場」が2023年12月に完成し、12月28日に操業を開始したことを発表した。
 メーコン工場は、ジョージア州の中央に位置し、旧メーコン工場から車で約20分の場所に新たに用地を取得して建設。これまで2カ所に分かれていた旧工場の製造機能をすべて移管し、樹脂窓の一貫生産体制を構築した。これにより、販売エリアである米国南部6州の住宅用樹脂窓増販に向け、製造供給能力強化と市場競争力のある製造供給体制を構築する。
 メーコン工場は「安全と品質にこだわり、顧客のビジネスや地球環境、そして地域社会に貢献する」をポリシーに、すべての業務において安全性と品質にこだわり、顧客のビジネスや地域社会に貢献していくとともに、従業員が誇りを持って働ける工場を目指す。
 製造ラインは、既存の樹脂窓商品に加えて改良商品となる「StyleView® Classic」の製造に向けた新設ハングラインなどの設備を擁し、樹脂素材の押出、ガラス・窓の加工、組立、出荷までを建屋の西側から東側に流れるライン設計として、高効率な一貫生産体制を構築した。日本の樹脂窓製造ラインである「APWライン」で採用している自動化技術を展開し、生産性を現行から212%とする計画。また、遠隔でのサポート体制構築、現地オペレーターが維持管理できる設備仕様にするなどのメンテナンス性の向上や、人に頼らない工程内検査の確立なども行い、安全かつ高品質な工場を目指す。
 更に製造ライン内や倉庫・出荷工程では、重量物の運搬、ピッキング作業など身体的な負荷の大きい作業の自動化・省人化を図るとともに、情報基盤を整備しスマートファクトリー化することで、作業者にとって働きやすい環境を構築する。ロジスティクスでは、GTP(※)やIoT技術を導入し、作業者の移動やピッキング時間を削減するとともに、出荷工程の効率化・省人化を目指す。
 新建屋は、窓からの自然光を取り入れ、屋根・壁の断熱化により省エネ性能を高めることで、CO2排出量削減を目指す。更に、カーボンニュートラル実現に向けて創エネ技術を段階的に導入していく。通路は将来の自動搬送化を考慮したほか、今後の事業・商品戦略やさらなる成長に合わせてフレキシブルに対応できるよう、拡張性を持った建屋設計になっている。また、アメリカ南部で多発する竜巻などの自然災害発生時用の緊急避難場所を確保、従業員の安全・安心への配慮を行っている。
※GTPとは、Goods To Personの略称で、物流センターなどにおいて商品をピッキングする作業者の場所までロボットが荷物を運んでくる棚搬送型ロボット、または作業者が定位置でピッキングする作業の実施方法のこと。固定棚に保管されている商品を作業者が歩きながらピッキングする方法に対し、作業者の移動を極小化することができるため作業負荷が軽減する。
<メーコン工場概要>

所 在 地:米国ジョージア州メーコン・ビブ郡(100 YKK AP Way, Macon, Bibb County, Georgia, U.S.A)
工  期:着工 2022年10月、完工 2023年12月
操業開始:2023年12月28日
生産品目:住宅用の樹脂窓および引戸
主な設備:樹脂押出機、ラミネート加工、複層ガラス、樹脂窓生産ライン
生産能力:年間約45万窓
敷地面積:202,343m2(新規取得)
延床面積:約36,000m2
建屋構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造 地上1階建
従業員数:250名(2023年12月時点)
投資金額:1億2500万USD(土地・建屋・生産設備含む)

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