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2025/12/9

【使用済み紙おむつ】ユニ・チャーム、水使用量を約50分の1のリサイクル新技術「ドライ洗浄法」の開発に着手

 ユニ・チャームは、富士クリーンと連携し、使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクル「RefF(リーフ)」プロジェクトにおいて、新たな再資源化技術となる「ドライ洗浄法」の開発に着手した。同技術の確立により、水使用量を約50分の1※1に削減し、水資源の限られた地域や、海外展開も見据えた循環型リサイクルモデルの構築を目指す。なお、香川県綾川町内の事業所とも協働し、地域における使用済み紙パンツ回収※2の整備を進めていく。

※1 同社比
※2 回収については富士クリーンが実施

                                                 

       

■技術開発開始の背景

 ユニ・チャームは、2010年から使用済み紙パンツ(紙おむつ)の再資源化技術に着手し、水平リサイクル「RefF(リーフ)」プロジェクトを推進してきた。鹿児島県志布志市や大崎町と連携して回収スキームを構築し、2019年には世界で初めて※3、オゾン処理技術により未使用品と同等品質の「再生パルプ」を生成した。また、プラスチックや高分子吸収材(SAP)の再生化技術も確立し、商品への活用を進めている。一方、使用済み紙パンツ(紙おむつ)の再生工程において、従来の洗浄方法では大量の水を必要とするため、設備規模や処理コストは地域特性やインフラ整備状況に左右され、他自治体や海外展開においても課題となっていた。ユニ・チャームは「Kyo-sei Life Vision 2035」において、紙パンツ(紙おむつ)のリサイクルに取り組む自治体数を20自治体へ拡大することを目標に掲げており、その実現には、より効率的な再資源化技術の確立が求められていた。

 そこでこのたび、ユニ・チャームは富士クリーンと連携し、新技術「ドライ洗浄法」の開発に着手し、日本国内での社会実装に加えて海外での展開も見据えた循環型モデルの構築を目指す。なお、同社の香川県における使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクルは、今回が初めて。

※3 オゾン処理技術を使用した紙パンツから紙パンツへの水平リサイクル技術について(2020年12月ユニ・チャーム調べ)

ドライ洗浄法」とは

 従来の水を使用した「水流洗浄法」と比べて、水の使用量を約50分の1に抑えることができる新たな再資源化技術。ドライクリーニングの発想を応用し、繰り返し使用可能な溶剤と独自の殺菌・漂白技術を用いて、使用済み紙パンツ(紙おむつ)を衛生的に洗浄、殺菌、漂白する。同技術により、水資源が限られた地域でも再資源化プロセスの導入が可能となり、使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクルの普及が期待される。

■富士クリーンについて

 富士クリーンは、1975年(昭和50年)の創業以来、産業廃棄物の収集運搬・中間処理・最終処分に一貫して取り組んでいる。2001年にはリサイクル事業を開始し、専用施設を整備しながら、廃棄物の種類や特性に応じた再利用・再資源化にも積極的に取り組んでいる。

■今後の展開スケジュール

・2026年 富士クリーン敷地内実験棟にて「ドライ洗浄法」の技術開発を開始

・2028年 本格的な再資源化プラントの建設を予定

・2029年 プラント設備の稼働開始予定

      近隣自治体と連携した使用済み紙パンツ(紙おむつ)の回収を正式に開始予定

■使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクルを通じて貢献する「SDGs 17の目標」

 同取り組みは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)で定めた17の目標のうち、下記に貢献するとユニ・チャームは考えている。

  12.つくる責任 つかう責任

 同社はこれからも、商品やサービスの提供といった事業活動を通じて、環境問題や社会課題を解決し、SDGsの達成に貢献することを目指す考えだ。

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