アーカイブ情報

2024/5/28

【使用済紙おむつ】相馬市/タケエイ/瑞光/山形大学、「リサイクル技術推進に関する連携協定」締結

 相馬市タケエイ瑞光山形大学の4者は、「使用済紙おむつのリサイクル技術推進に関する連携協定」を締結した。
 高齢化社会が進むにつれて、排出量が近年増加している使用済紙おむつは、排泄物、パルプ、SAP(高分子吸水材)、その他プラスチック等から構成されているため再資源化が困難とされ、これまで各自治体が収集し焼却処分するほかなく、焼却炉への負荷や最終処分場の残余容量ひっ迫が課題となっていた。

左から、山形大学 米沢キャンパス長 黒田充紀氏、タケエイ代表取締役社長 阿部光男氏、相馬市長 立谷秀清氏、瑞光 代表取締役社長 梅林豊志氏

 タケエイは、相馬中核工業団地内にある相馬事業所において、新たな環境複合事業「相馬サーキュラーパーク構想」を計画中。相馬市をはじめ、同業他社、異業種、大学などと連携し、廃棄物由来資源の有効活用、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいる。
 瑞光は、紙おむつをはじめとする衛生用品製造機の開発・設計・製造を一貫して手がけ、国内トップシェアを誇るグローバルメーカー。紙おむつの製造機を衛生用品メーカーに提供するだけでなく、使用済紙おむつ燃料化装置の販売も行っている。
 山形大学は東日本有数の総合国立大学であり、中でも工学部は、前身の米沢高等工業高校が明治43年に設立されて以来、社会的要請に応じて高度な技術開発力・研究力をもつ人材を育成している。各種廃棄物リサイクルにおける課題抽出と、その解決に資する技術開発にも多数の実績がある。
 今般、使用済紙おむつの燃料化によるリサイクル技術の推進、および再原料化の包括的なスキームの構築を目指して実証実験を行うべく、相馬市、タケエイ、瑞光、山形大学の4者は、連携協定を締結するに至った。また、実証実験による各種データ(焼却量、CO2削減量、各コスト等)を収集し、事業化に向けた課題点の抽出を行う。さらに、同協定締結を背景とし、山形大学、瑞光、タケエイとの間で、「リサイクルが難しいとされる廃プラスチック類及び可燃系廃棄物の再資源化手法の確立・運用に関する研究」をテーマに共同研究契約を締結した。
 相馬市から排出される廃棄物を、タケエイがリサイクルし、瑞光が素材として活用することで循環させ、山形大学が評価を行い、改良するというスキームを実現し、これまで資源化の難しかった廃棄物や処理困難物等を循環資源に変革することによって、高度循環型社会並びに脱炭素社会の実現を目指す。

カテゴリー
コンバーティングニュース

PAGE TOP