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2024/5/28

【偽造防止糸】中川産業、一本の糸で偽造を防止する「SHIRUSHI」のサービスを家具、インテリア商品へ拡大

 織ネーム製造業を行う中川産業は、偽造品問題を解決するために偽造防止糸「SHIRUSHI」を開発し、近年SNSによって急激に模倣品・偽造品の被害が広がっているアパレルメーカーへサービス提供している。そしてこの度、アパレルメーカーからの問い合わせが急増していることを踏まえて、家具、インテリア商品への偽造防止糸サービスも2024年6月1日から開始することを決定した。

偽造防止する特殊な糸を織り込んだネームタグ

 2020年、日本企業の模倣品被害総額は約3.2兆円、そのうち衣類は989億円となっている。模倣品とは開発したメーカー以外が、オリジナルのものに似せて作った商品。模倣品は素人でも見分けがつくが、偽造品はプロにしか見分けがつかない。
 偽造品は、ブランド所有者の商標を使用して、消費者を騙して本物の商品を購入したと信じ込ませることを目的として作られた偽物商品。消費者は本物か偽物か分からず購入してしまうケースは少なくない。企業も様々な対策を実施しているが、費用に対して得られる効果が低く限定的で、偽造品の被害は増える一方。
※1 参考:特許庁「令和3年度我が国法人の産業別模倣被害推計調査研究事業 最終報告書

誰にも真似できない糸で偽造を阻止
 模倣品や偽造品からブランドを守る偽造防止糸「SHIRUSHI」への問い合わせ数が、ここ3年程で5倍に急増している。独自の技術で開発された特殊な偽造防止糸「SHIRUSHI」(特許第6382113号)は、幅0.15~0.75mmという髪の毛より細い糸にブランド名をプリントすることができる。衣類やバッグ、小物などに縫い付けられているタグを織ネームと言うが、その織ネームの偽造防止糸「SHIRUSHI」へブランド名をプリントした糸を織り込む。
 織ネーム部分をスマートホンのカメラ機能で拡大して見ていただくと文字が書かれた糸が織り込まれているのが本物。他社ではマネすることができない織ネームを顧客の商品に付けるため、商品購入者、商品販売業者、誰にでも判別ができる。現在、高級ベビー服メーカーと高級カジュアルアパレルメーカーに「SHIRUSHI」が導入されている。
 利用企業からは「海外で製造したら海外で偽物が出回っていて、調べてみるとインターネットで偽物が販売されていました。偽造防止糸を取り入れることで、商品開発や販売など元々の業務に安心して専念できるようになりました」などの声が寄せられている。

日本の高品質のブランドメーカーを守りたい
 開発のきっかけは2010年に愛媛県今治市のタオル組合担当者から「偽造品がたくさん出てきて困っている」という相談から生まれた。当時、偽造品防止策としてレーザー光で対象物に刻印するレーザーマーキング技術がなどあったが高額な設備を使用するため実装できなかった。そこで、低コストで実装できる偽造品防止策の研究開発を自社で始めた。
 開発に3年。独自の技術と最新鋭の設備でオリジナルの偽造防止糸「SHIRUSHI」が完成した。偽造防止糸「SHIRUSHI」はレーザーマーキング繊維の20分の1以下の価格で導入可能。アパレルを始め、バッグ、シューズ、ベビーカーなどネームタグのある商品すべてに導入可能。
 代表の中川善勝氏は「分業化が盛んな繊維業界の中で、外に頼らず自社で製造できるように内製化を進めた結果、高い技術のものを安く仕上げることができるようになりました。これからも国内の高品質のブランドメーカーを偽造品や模倣品から守っていきたいです」と語っている。
 そして2024年6月1日からは、家具、インテリア商品への偽造防止糸サービスを開始する。

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