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2024/4/11
【光パターン照明】北海道大学/岡山大学/科学技術振興機構、超高速の手法開発。次世代光産業、光科学の基盤的手法として期待
北海道大学電子科学研究所の渋川敦史准教授、三上秀治教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)の須藤雄気教授、韓国科学技術院(KAIST)生物・脳工学科のムサク・ジャング助教授らの研究グループは、超高速の光パターン照明手法の開発に成功した。
空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)は、複雑なパターンの照明を可能とする電子デバイスで、例えばプロジェクタの表示デバイスとして、世界中で普及している。しかしながら、SLMのパターン切り替え速度は最短でも50マイクロ秒程度にとどまるため、その性能はこれまで十分に生かされていなかった。
そこで、本研究では、SLMの構成を根本的に見直し、独自開発の1次元SLMと、照明パターンを拡張する「すりガラス」を組み合わせることで、市販のSLMの約1,500倍高速な、0.03マイクロ秒の切り替え速度を持つ超高速の光パターン照明手法を開発した。この超高速の光パターン照明手法は、例えば従来のSLMでは不可能な生命機能の光計測や光操作(光遺伝学)の高速化・大規模化や金属3Dプリンタなどの光加工の生産効率向上など、様々な分野での応用が期待される。
なお、本研究成果は、日本時間2024年4月8日公開のNature Communications誌にオンライン掲載された。
論文情報
論文名:Large-volume focus control at 10 MHz refresh rate via fast line-scanning amplitude-encoded scattering-assisted holography
(高速ラインビーム走査による散乱アシストホログラフィを用いた10MHz応答速度での高速焦点制御技術)
著者名:Atsushi Shibukawa1、Ryota Higuchi1、Gookho Song2、Hideharu Mikami1*、Yuki Sudo3*、Mooseok Jang2*
(1北海道大学電子科学研究所、2韓国科学技術院(KAIST)生物・脳工学科、3岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬)、*責任著者)
雑誌名:Nature Communications
DOI:10.1038/s41467-024-47009-w
公表日:2024年4月8日(月)
研究費
本研究は、日本学術振興会・科学研究費補助金(JP21H00404、JP21H02446、JP21H01393)、科学技術振興機構・創発的研究支援事業(JPMJFR205E)、同 戦略的創造研究推進事業 CREST(JPMJCR1656)、中島記念国際交流財団、光科学技術研究振興財団、小澤・𠮷川記念エレクトロニクス研究助成基金、コニカミノルタ科学技術振興財団、生体医歯工学共同研究拠点、フォトエキサイト二クス研究拠点、人と知と物質で未来を創るクロスオーバーアライアンスの助成を受けている。
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