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2025/7/11

【光電融合】DNP、海外初の研究開発拠点をオランダに開設

 大日本印刷(DNP)は、グローバルな研究開発の推進とイノベーションを加速させることを目的に、海外初となる研究開発拠点をオランダのハイテクキャンパス アイントホーフェンに2025年9月に開設する。

 ハイテクキャンパス アイントホーフェンは、約300の企業や研究機関、12,500人以上の研究者・技術者・起業家が集まり、革新的な技術や製品の開発に取り組むヨーロッパ随一のイノベーション拠点だ。

 DNPは同拠点で、最初のテーマとして、次世代半導体の技術の1つとして注目される光電融合(Co-Packaged Optics)*1の研究開発を推進する。2025年7月3日にDNPは、オランダ応用科学研究機構(Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk onderzoek:TNO)と光電融合の共同研究開発に関する契約を締結した。同キャンパス内にある、フォトニックチップ(光ICチップ)の基礎研究から量産にまでつなげる研究組織PITC(Photonic Integration Technology Centre)とともに研究開発を推進する。

ハイテクキャンパス アイントホーフェンの外観(© High Tech Campus Eindhoven)
PITC研究施設内部(© Eindhoven University of Technology/PITC)

【海外発の研究開発拠点開設の背景】
 DNPは「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントを掲げ、2023~2025年度の中期経営計画のなかで、「新規事業創出と強み技術の強化」「強み技術のグローバル展開」などの研究開発テーマを推進している。DNPは「先端技術の研究開発」や「新規事業の創出」などの観点から海外に研究開発拠点を設けることを検討してきた。今回、次世代半導体関連技術として注目されている光電融合に関する研究開発を最初のテーマとして選定し、「ハイテクキャンパス アイントホーフェン」に海外最初の研究開発拠点を開設することに至った。

【光電融合に関する研究開発の内容と狙い】
 近年、生成AIの急速な普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により情報流通量が大幅に増加し、クラウドサービス等を提供するデータセンターの消費電力の増加が大きな社会課題となっている。電気をベースとした高速伝送では情報流通量の拡大に対応しきれないと予想されるなか、電気に替わって光で全ての情報伝送を行う技術の開発が求められている。このニーズに対して、光通信技術と電子技術を統合して高い情報処理性能や低消費電力・省エネルギーなどを実現する「光電融合」技術が、次世代半導体への展開などで期待されている。

 DNPは、現在進めている中期経営計画の注力事業領域の一つに「半導体関連」を定め、付加価値の高い製品の開発を進めている。そのなかで、光回路と電気回路を統合する光電融合向けパッケージ部材の開発を推進している。こうした取り組みを加速させるため、ハイテクキャンパス内にあるPITC等と3年間の共同研究を行い、光電融合に関する「光学材料の精密パターニング技術」など、最先端の技術獲得やパートナー企業等の開拓を目指す。

 DNPは、多様な企業や人材・技術が集まるハイテクキャンパス アイントホーフェンでオープンイノベーションを推進し、光電融合だけでなく、DNPの強みを生かした新規事業を創出する。

【今後の展開】
 DNPは、オランダに新設する研究開発拠点を通じて、光電融合に関する技術や研究開発のネットワークを獲得することで、光電融合向けパッケージ部材の開発をさらに加速させる。
 また、DNPは、グローバルな研究開発をさらに推進し、社会課題や世界情勢、メガトレンドを見据えながら、オランダ以外での新たな海外研究開発拠点の開設を目指していく。DNPの強みを生かした新規事業を生み出すべく、研究開発人材の多様性やグローバル化も進めていく。

*1 光電融合 → 光と電気の伝送技術を融合させて、情報処理やデータ通信などの分野で従来の技術を大幅に向上させる技術

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