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2025/12/4

【再生プラスチックペレット】esa、京都大学大学院との共同研究でReplaのCO₂排出を最大87%削減を実証

 esa(イーサ)は、グリーンケミストリー分野における先進研究機関である京都大学大学院総合生存学館(思修館)および京都大学大学院エネルギー科学研究科と共同で実施している研究成果を発表した。

 同社独自の再生プラスチックペレット「Repla」が、従来のバージンプラスチックに比べてCO₂排出を約87%削減、バイオプラスチックに比べて約83%削減し、人発がん性毒性を約90%(Virgin‑PE比)/95%(Bio‑PE比)低減、化石資源消費を約94%(Virgin‑PE比)/97%(Bio‑PE比)削減できることをLCA計算から割り出し、その結果を学術論文として発表した(Green Chemistry, 2025, DOI: 10.1039/D5GC02751A, https://doi.org/10.1039/D5GC02751A)。

 さらに、Replaを50%混合した袋製造工程においても、CO₂排出42%、人発がん性毒性61%、化石資源消費61%の削減効果が確認された。

背景

 脱炭素社会の実現に向けても残る「焼却依存」の現実に対し、esaの独自技術「esa method」で切り拓く新しい解決策。京都大学大学院との共同研究で“科学的根拠”を確立した。

 社会全体が脱炭素社会・ESG経営の実現に向けて歩みを進める中、プラスチックの適正なリサイクルは大きな課題となっている。現在、日本国内の廃プラスチックの70%は焼却処理(サーマルリサイクル)や埋立処分されている。しかし、焼却は多量のCO₂を排出するため、海外では環境に配慮したリサイクル方法として認められていない。

 国内で使用されるプラスチックの多くは、機能性を高めるために複数の樹脂を積層したフィルムが用いられており、使用後は廃プラスチックとして焼却や埋立処理されることが大半である。複数の樹脂が組み合わさった複合プラスチックは、既存技術ではリサイクルが難しく、資源循環のボトルネックとなっている。この現状を打破し、廃棄される複合プラスチックを資源として活用する真の循環型社会を実現するためには、「複合プラスチックのマテリアルリサイクル」の普及が不可欠だ。

 同社はこの課題に対し、複合プラスチックをそのまま溶解・圧縮してペレット化する独自技術「esa method」を開発。2022年10月より京都大学大学院総合生存学館と「再生資源化した複合プラスチックペレットの構造解析、および環境負荷シミュレーションの開発」をテーマとした共同研究を開始した。産学連携により再生ペレットの品質を評価するとともに、環境負荷の少ないサーキュラーマテリアルの実用化を目指している。

共同研究概要

 共同研究では、同社が工場から排出される未汚染の端材プラスチックを再生した複合プラスチックペレット「Repla」を対象に、その化学構造や物性の解析とライフサイクル全体の環境影響評価を行った。

・ 再生ペレットの組成・構造と物性の相関分析

・ 添加剤の残存レベルや劣化挙動の評価

・ ライフサイクルアセスメント手法によるペレット製造工程および製品製造工程の環境負荷シミュレーション

 特に今回、京都大学大学院総合生存学館の齋藤 敬教授とエネルギー科学研究科のBenjamin McLellan教授らがLCAを担当し、SimaProおよびEcoInventデータベースを用いて地球温暖化係数、人発がん性毒性、化石資源枯渇など複数の環境指標を評価し学術論文として発表した。

実証結果

Repla®のLCA実証結果:CO₂ 87%削減など環境優位性を確認

  ライフサイクルアセスメント(LCA)の結果、Repla®は従来のバージンポリエチレン(Virgin-PE)や植物由来のバイオポリエチレン(Bio-PE)と比較して、製造時の環境負荷を大幅に削減できることが明らかになった。

図1:Repla®・Virgin-PE・Bio-PEのLCA比較

<地球温暖化係数(GWP)>

 Replaのペレット化工程では1トン当たり約364 kg CO₂‑eqの排出にとどまり、Virgin‑PE(約2,755 kg CO₂‑eq)と比較して約87%削減、Bio‑PE(約2,110 kg CO₂‑eq)と比較して約83%削減された。 

<人発がん性毒性>

 1トン当たりの人発がん性毒性は11 kg 1,4‑DCB eqであり、Virgin‑PEの112 kg 1,4‑DCB eqと比較して約90%低減、Bio‑PEの205 kg 1,4‑DCB eqと比較して約95%低減した。

<製造に必要な石油資源>

  Replaの製造に必要な石油資源は約100 kg oil eqで、Virgin‑PEの約1,769 kg oil eqおよびBio‑PEの約3,129 kg oil eqに対して、約94%(Virgin‑PE比)〜97%(Bio‑PE比)の大幅な削減を達成した。

Repla混合シナリオの比較結果:袋製造工程でCO₂排出42%削減を実証

図2:再生材Repla®を50%混合した袋製造シナリオ(SC6)のLCA結果

 さらに、Replaを50%混合したプラスチック袋をベトナムおよび日本の工場で製造するシナリオを比較した結果、Bio‑PEを同割合混合する場合に比べ、CO₂排出量で約42%減少し、1,4‑DCB相当は約61%減少、化学資源消費量も約61%減少することが確認されました。京都大学の研究チームは、電力供給や原料の改善により持続可能性をさらに向上できると提言している。

esa代表コメント

 代表取締役の黒川周子氏は以下のようにコメントしている。

 「今回の共同研究により、当社の再生ペレットReplaが、従来のプラスチック素材に比べて環境負荷を大幅に低減できることが科学的に実証されました。これは単なる研究成果にとどまらず、今後の市場展開や事業化を後押しする大きな一歩です。再生材の安定的な供給と品質保証は、これまで複合プラスチックのリサイクルが普及しなかった最大の障壁でした。私たちは今回の結果を踏まえ、国内外の包装・容器業界をはじめとする幅広い産業分野での実装を加速させていきます。Replaは、環境負荷低減だけでなく、企業にとってもサステナビリティ経営やESG対応を支える戦略的な素材になり得ます。当社は今後もパートナー企業や自治体との協業を深め、循環型社会を実現する新たな産業基盤を構築してまいります」

 今回の研究成果は、複合プラスチックのマテリアルリサイクルによってCO₂削減と資源循環を同時に実現できることを示し、サーキュラーエコノミー推進に向けた重要な一歩となる。同社は今後も京都大学との連携を深め、再生プラスチックの品質向上と用途拡大を進めるとともに、企業や自治体への環境コンサルティングを通じてサステナブル社会の実現に貢献していく。

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