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2024/11/1

【再生医療CDMO】帝人とヒルマン・ラボラトリーズ、アジア太平洋地域での相互協力体制構築

 帝人とシンガポールに拠点を持つバイオテクノロジー企業であるHilleman Laboratories(本社:シンガポール、CEO:Raman Rao、以下 ヒルマン・ラボラトリーズ社)は、再生医療領域における開発製造受託機関(CDMO)事業についての国際的な戦略的業務提携に関する合意書を締結した。
 再生医療領域におけるCDMOの需要は、再生医療等製品開発の高難度化や製造開発機能の分業化などを背景として急速に拡大しており、世界的な市場規模は2032年には186億米ドルを超えるとされている。また、国内においても2030年の再生医療等製品市場は、海外由来製品の参入影響も加わって8500億円まで拡大すると予測されており、日本と海外における開発需要をつなぐ仕組みづくりがさらに重要になると見込まれている。
 このような需要拡大を機会と捉え、帝人はグループ会社である、ジャパン・ティッシュエンジニアリングの再生医療等製品に関する上市実績や技術力・ノウハウと、帝人リジェネットによるウイルスベクターやプラスミドも含めた高度な研究・開発・生産体制によって、細胞・遺伝子治療を中心とする再生医療等製品の製品設計から産業化までをワンストップで提供できるプラットフォームを構築している。
 ヒルマン・ラボラトリーズ社は、世界的な製薬会社であるMerck Sharp & Dohme LLC (MSD)と、世界的な慈善財団であるWellcome Trustの合弁会社として2009年に設立されたバイオテクノロジー企業。低・中所得国においてワクチンや生物学的製剤を手頃な価格で利用できるようにすることを目指しており、感染症や未充足な医療ニーズのある疾患に対するワクチンや生物学的製剤の開発を主な事業領域としている。
 このたび、アジア太平洋地域への進出を図る日本国内の顧客に向けた支援体制の強化に加え、シンガポールおよびその周辺地域から日本市場へ進出を図る海外顧客の取り込みを目指す帝人と、シンガポールにおける細胞・遺伝子治療領域の開発・製造支援体制の構築を図るヒルマン・ラボラトリーズ社の双方のビジョンが一致したため、両社の本業務提携の合意に至った。
 帝人およびヒルマン・ラボラトリーズ社は、シンガポールまたは日本での開発需要を持つそれぞれの顧客を相互に紹介し合い、新たな市場展開の機会を提供することで、顧客への提供価値向上を目指す。
 ヒルマン・ラボラトリーズ社はシンガポールにおいて、細胞・遺伝子治療領域向けの細胞加工センターの構築を計画しており、帝人が蓄積してきた同領域に関する知識や経験を活かしてこの計画を支援する。
 今後両社は、今般の業務提携を基に、アジア太平洋地域においてさらに有用な開発製造支援サービスを提供するため、再生医療 CDMO事業に関する強固な協力体制を構築していく。
 帝人グループでは、再生医療事業の2030年度における売上高目標200億円の達成を目指し、国内のみならずアジア太平洋地域を含む海外からの開発委託需要を取り込むため、国内外の企業との提携や設備投資、人材育成を進めていく。

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